周梨槃特のブログ

史料紹介という修行

怪鳥来襲

応永二十三年(一四一六)四月二十五日条 (『看聞日記』1─29頁) 廿五日、晴、聞、北野社ニ今夜有怪鳥、鳴声大竹ヲヒシクカ如云々、社頭モ鳴動ス、 二またの杉ニ居テ鳴、参詣通夜人消肝云々、宮仕一人以弓射落了、其形頭ハ猫、 身ハ鶏也、尾ハ如蛇、眼大…

自死の中世史 4 ─日本の古代2─

「允恭天皇」『古事記』下巻(日本古典文学全集1、小学館、1973) 天皇崩之後、定木梨之軽太子所知日継、未卽位之間、姧其伊呂妹軽大郎女而歌曰、 阿志比紀能 夜麻陀袁豆久理 夜麻陀加美 斯多備袁和志勢 志多杼比爾 和賀登布伊毛袁 斯多那岐爾 和賀那久…

自死の中世史 3 ─日本の古代1─

「応神天皇」『日本書紀』巻十(新編日本古典文学全集2、小学館、1994) 九年夏四月、遣武內宿禰於筑紫、以監察百姓。時武內宿禰弟甘美內宿禰、欲廃兄、即讒言于天皇、武內宿禰常有望天下之情。今聞、在筑紫而密謀之曰、独裂筑紫、招三韓令朝於己、遂将…

田所文書2 その1

二 沙弥某譲状 その1 (前闕) 「 神事勤仕頭人等⬜︎役事、 」 一宮二季〈二月十二月〉御祭鎭祭一夜⬜︎ 〈此物長〉進魚類酒二瓶等事、 清 八幡宮二季〈四月九月〉御祭役人別⬜︎人各送遣精進二種o酒一垂腹〈納三升〉 宛事、〈頭人交名神事参勤時依無其隠略之了…

銀の花

弘安三年(一二八〇)八月三日・四日・七日・二十一日条 (「弘安三年中臣祐賢記」『増補續史料大成 春日社記録』3─60〜67) 三日、申剋、五所の御寶殿ニ等、銀花開之由、神人令申之間、令實檢之處、數十本 (安倍)(土御門) 之間、銀實否依難治定、…

自死の中世史 2 ─中国の場合2─

「孝婦の冤罪」 『捜神記』巻11─290(佐野誠子著・竹田晃・黒田真美子編『中国古典小説選2 捜神記・幽明録・異苑他〈六朝Ⅰ〉』明治書院、2006) 漢時、東海孝婦、養レ姑甚謹。姑曰、「婦養レ我勤苦。我已老。何惜二余年一、久累二年少一。」遂自縊…

自死の中世史 1 ─中国の場合1─

「嫁の神様」 『捜神記』巻5─6(開放文學、http://open-lit.com/bookindex.php?gbid=119) 淮南全椒縣有丁新婦者、本丹陽丁氏女、年十六、適全椒謝家。其姑嚴酷、使役有程、不如限者、仍便笞捶不可堪。九月九日、乃自經死。 遂有靈向、聞於民間。發言於巫…

自死の中世史 〜はじめに〜

「数年前だったか、新聞紙上で、大宅映子さんのこんな行文にふれた。『死ぬとわかっていて、なぜ人間は生きてゆけるのか』、そういう根源的な問いに答えを出していくのが文学部というところだという、ある大学での講演のくだりである。」 鷲田清一「死なない…

田所文書1 その10

一 安藝国衙領注進状 その10 (東) 『⬜︎寺勸學院管領』 三田郷九町 被庄号之間、除今度文書了、 (半) 除不輸免五丁五反斗 崇道天皇免百八十歩 八幡宮御神楽免一丁五反 角振社御供田 有福 鎌倉寺免五反 倍従免二反 弘眞 公廨田三丁 久武一丁 助包一丁 貞…

田所文書1 その9

一 安藝国衙領注進状 その9 應輸田二丁七反 例代 (高宮郡) 佐々井村七丁二百卅歩 除不輸免(六丁五反) 六丁五反 即新宮免一丁 一宮免二丁七反 八月一日御供田一丁一反 山王社免一丁 御神楽免六反 惣社仁王講免一反 行西 瀧蔵寺免三反 弥冨 舞人免二反 有…

周梨槃特の絵札コレクション(未完)

最近は御朱印を集める人が増えているようですが、私は偶像崇拝者なので、御影や絵札、牛王宝印を少しずつ集めています。ただ集めるだけ集めて、ほったらかしにしていたので、このブログを使って整理しておこうと思います。すべてではないですが、思い出深い…

田所文書1 その8

一 安藝国衙領注進状 その8 角振社仁王講免三反 弥冨 今者今冨資遠 諸寺勘料田一丁小 弥冨 公廨田(三丁九反大四丁四反大) 四丁四反大 久武八反 弥冨四反大(割書)「今者今冨 資遠(ヵ)」 盛貞跡一丁 宗繼三反 信覺四反 生 (入广輸)(王一丸一丁)王一…

田所文書1 その7

一 安藝国衙領注進状 その7 静印五反 瀧宮免二丁 御神楽免一丁 仁王講免一丁 水分社免五反 八幡宮免三反 即福王寺免二反 感神院社免五反 國廳社造立免五反 信家 公廨田一丁二反 (孫三郎ヵ) 高清三反(佐西⬜︎⬜︎⬜︎) 貞重三反(右近[ ]) 兼重六反(割書…

田所文書1 その6

一 安藝国衙領注進状 その6 九 福永七反小 同 (半) 福久一反斗 同 行永(一丁九反) 二丁一反小 同 七 (同ヵ) 宮守⬜︎[ ⬜︎ 九 則末六反 同 千同三反三百歩 同 (半) 倉重(一丁二反斗) 四反 官米三斗代 (半) 別符(一丁六反) 一丁二反斗 三 (半)…

死人を食べること

建久九年(一一九八)四月七日条「嘉禎二年中臣祐定記」 (『増補續史料大成 春日社記録』1─96) 一正預遠忠者、自腹腰力ツキ立、アヤマチテ也、仍不参、但七日辰時事也、仍山城國 (薦ヵ) 房池之所クスシ召間、兒干御薬令食還了、以外事也、 同年四月二…

田所文書1 その5

一 安藝国衙領注進状 その5 崇道天皇免二百卅歩 一御社免四十二町 御供田二丁八反 福永七反 八月中朔幣田 松丸七反 九月中朔幣田 國正七反 十一月一日田 爲則七反 十一月中朔幣田 御洗米免一丁 倉光 元祝師 御鏡田一丁七反 愛淂内侍 戎社免三丁 竹林内侍 (…

田所文書1 その4

一 安藝国衙領注進状 その4 宗門四反 安遠四反 宗員三反 宗包四反 琴持二反 有福 清重一反小 代官免六反 助延三反 助光三反 税所勘料田一丁七反 (五反) 遠清官物勘料田⬜︎⬜︎ 清家納所勘料田八反 清遠雑物勘料田四反 『四』 公廨田五丁九反大 (朱筆抹消) …

田所文書1 その3

一 安藝国衙領注進状 その3 [ [ 有富三百歩 爲光一反大 友重三反小 近道一反大 有福七反六十歩 弥冨一反大 清重小 清末一反大 貞安一反小 爲員六十歩 近光大 往生院免一丁 八幡宮免四丁四反 (一反斗ヵ) 御供田二丁⬜︎⬜︎⬜︎ 久武一丁 宗門三反 重門一反 慶…

田所文書1 その2

一 安藝国衙領注進状 その2 助門一反小 人長免一丁 助俊 主典免四反 宗俊 (官) 代⬜︎免六段 (助) ⬜︎次三反 末弘三反 勅使税所勘料田一丁 員家 公廨田六丁七反六十歩 弥富一反六十歩 貞重一反 兼氏二丁 員家一丁 (利) [ ] ⬜︎兼[ 高宗五反 保員⬜︎反 …

田所文書1 その1

解題 田所氏は、本姓佐伯氏で平安時代後期から安芸国衙在庁官人として田所文書執行職を世襲した家である。一号文書は鎌倉中期ころの安芸国衙領の状態をしめしている。府中を中心とする郡・郷・村・名がいずれも並列的に記載され、おのおのの田積をあげ、応輸…

涙、なみだの、官僚暮らし

宝徳三年(一四五一)十月二十五日 (『康富記』3─295・301頁) 廿五日庚寅 晴陰、入夜雨下、向飯彦許、予窮困過法、小屋及大破、既欲令顚倒之間 愁訴注一通、付弾正可令披露万里小路中納言殿之由答、 (中略) 權大外記康富謹言、 欲優曩祖勤労助一…

田中文書3(完)

三 小早川隆景書状寫 猶々一二ヶ条、次而なから此者申聞候、可レ有二分別一事干要ニ候、 其方數年之忠儀辛労之段、誠ニ無二比類一候、内々雖下無二忘却一候上、あまり心安 思候て、無二申聞儀一候、弥別而大小事及レ心長久可二相替一事干要ニ候、然間焼山 之…

田中文書2

二 豊臣氏奉行人連署書状(切紙) 従二 関白様之御使丹羽五平次殿歸朝候一、人數拾九人小荷駄壹疋さきゝゝ送之 儀、被レ入二御念一使夫ニ可レ有二御申付一候、五平次殿乗馬并小荷駄等之儀、 さきゝゝの城迄、御馳走肝要候、恐々謹言、 増田右衛門尉 二月二日…

田中文書1

解題 田中氏は長浜の神職をつとめる。本文書の伝来関係については明らかでない。 一 豊臣氏奉行連署書状(切紙) ◯以下三通ハ、東大影寫本ニヨル 其方御代官所此方ゟ、近年者以二金銀米一被二召置一候へ共、自今以後者公用にて、 百姓於レ被二取納一、可レ有…

西村治雄氏所蔵文書2(完)

二 安藝国佐西郡寺田村打渡坪付寫 神領寺田村之内 (割書)「打渡坪付」 おき田 田四反 米貳石五斗 惣兵衛 きしの下 田貳反 米壹石四斗 同 人 よこたけ (米) 田壹反小 ⬜︎九斗 同 人 にし (米) 田貳反 ⬜︎壹石六斗 同 人 同所 田貳反小 米壹石七斗 同 人 …

西村治雄氏所蔵文書1

解題 山県郡穴村(加計町)の地は古くは佐伯郡に属していた。この地の小田氏は源頼政の二男山県先生国政の後といい、国政は美濃国山県郡を経て、治承四年(一一八〇)安芸国豊田郡へ来住し、後に穴村へ移ったという。 西村氏は小田氏の女が嫁したことから親…

猪突猛進!

宝徳三年(一四五一)九月十三日条 (『康富記』3─278頁) 十三日戊申 晴、 (中略) 是日或語云、今月七日就春日神木御入洛事、被制止之由、綸旨御教書等被成下南都、 使節奉行三人下向之日、朝之程、於宇治邊、自或藪中猪走出、(割書)「自元負手歟 …

井上文書 その7(完)

一 五行祭文 その7 (衆生) (佛體) (具足) されハしゆしやうハもとよりふつたいなり、三しんおくそくせり、いかなる (悪霊) (悪) (悪魔)(悪)(邪魔)(外道) ゑ あくりやうあく鬼あくまあく神しやまけとうもそのたよりおへからす、仏神とも …

井上文書 その6

一 五行祭文 その6 (抑) (行) (木) (阿閦佛) (招提龍) そもゝゝかの五きやうのはしめもく神と申ハ、東方あしゆくふつしやうたいりう王と (現) (青)(色) (以) (春) (甲)(乙) (領) (火) けんし、あおきいろおもんて、はる三月き…

井上文書 その5

一 五行祭文 その5 (曰) (云) かるかゆへに、あるもんにいわく、ふもしよしやうしんそくせう大かくいとゆふ、 (凡夫) (悪口) (崇) (經論) しかりといへともほんふハあくかうしんちうニして仏神ヲあかめす、きやうろんお (信) (敬) (罪業)…