周梨槃特のブログ

史料紹介という修行

楽音寺文書8

八 小早川弘平自筆書状 尚々御注文進之候、此下ニ」書写候て可レ給候、惣て時儀を」具にあそハし 候て、残候て其分」可レ被二申遣一候、 又志芳並瀧寺」より源十郎かたへ、」如レ此申越候、為御」披見進之候、 昨日者以二書状一令レ申候処、委」細御返事之趣…

楽音寺文書7

七 小早川弘平自筆書状(折紙) 尚々存る子細候て」如レ此申候、思召分」らるへく、」かしく、 (備後御調郡) 連々礼儀を無沙汰候間、与風」因島江罷渡候、軈而々々帰宅」仕可二申承一候、仍 度々承候つる」金剛坊事、年内之儀者、」先々如レ今にて被レ置候…

中世若狭のラップ現象 ─竈が吠えた!─ (The rap phenomenon)

嘉吉三年(一四四三)十一月十三日条 (『図書寮叢刊 看聞日記』7─84頁) 十三日、晴、(中略)抑若狭有社頭伊勢、贄殿竈、去八九月之間連日吠、社人卜 (武田信賢) 之、九月廿二三日之間ニ可有大乱云々、守護ニ注進令祈祷、果而内裏炎上、謀反 人露顕、…

マジョリティーの限界とマイノリティーの可能性 part2

三橋順子「性と愛のはざま ─近代的ジェンダー・セクシュアリティ観を疑う─」 (『岩波講座 日本の思想』第5巻、岩波書店、2013年9月) *単なる備忘録なので、閲覧・検索には適していません。 また、誤字・脱字の訂正もしていません。 P120 インド文化圏…

マジョリティーの限界とマイノリティーの可能性 part1

伊藤亜紗『目の見えない人は世界をどう見ているのか』(光文社新書、2015) *単なる備忘録なので、閲覧・検索には適していません。 また、誤字・脱字の訂正もしていません。 P29 見える人が目をつぶることと、そもそも見えないこととはどう違うのか。…

楽音寺文書6

六 比丘尼浄蓮自筆書状 (端裏書) 「 [ ] 」 真道房便宜証文委承候了、 一楽音寺院主御代官職事、可レ為二」真道房之由仰給候、御一期之間」何御弟子 ニも御計候ハん事者、」其旨こそ、まほりまいらせ候ハん」する事ニ候へハ、 別子細ニ不レ及候、」其付…

楽音寺文書5

五 地頭尼浄蓮代浄円陳状 安芸国沼田庄内梨子羽郷地頭尼浄蓮代浄円謹弁申 当郷内楽音寺僧隆憲称二院主一虚名企二奸謀偽訴一無レ」謂子細事 (裏花押) 右当寺者、天慶年中、本下司草創之寺、建永以後地頭」補任之地也、自レ而以来 為二地頭氏寺一、領家断レ…

楽音寺文書4

四 六波羅施行状案 (豊田郡) 安芸国沼田庄雑掌実厳、与二梨子羽郷 」地頭小早河美作守〈法名」本仏〉 女子尼浄蓮代唯心一、相論条々、 一田地十四町余事 一楽音寺田地事 右任二今年四月十二日関東御下知一、可レ令レ致二沙汰一之状如レ件、 (1288) 正応…

楽音寺文書3

三 関東下知状案 (豊田郡) (茂平) 安芸国沼田庄雑掌実厳、与二梨子羽郷地頭小早」河美作守法師〈法名」本仏〉 女子尼浄蓮代唯心一、相論條々、 一田地十四町余事 右訴陳之趣、雖レ多二子細一、所詮去文永八年、遂二当庄検注一之」時、地頭 門田事、依レ…

走りだす鞘にキレる将軍 (The sheaths of short swords started running)

嘉吉元年(一四四一)六月二十三日条 (『図書寮叢刊 看聞日記』6─293頁) 廿三日、小雨降、(中略) (頭書) 「後聞、今日公方御腰刀鞘走、他之御腰物被召寄、又サヤハシル、御腹立云々、 御怪異如此歟、」 「書き下し文」 二十三日、小雨降る、(中略…

沼田庄について

橋本圭一「沼田庄」 (『中国地方の荘園』講座日本荘園史9、吉川弘文館、1999年) *単なる備忘録なので、閲覧・検索には適していません。 また、誤字・脱字の訂正もしていません。 【荘域】豊田郡。古代の沼田郡・沙田(ますだ)郡の二郡にあたる。沙…

楽音寺文書2

二 比丘尼浄蓮申状 (豊田郡) 安芸国沼田庄内梨子羽郷」雑掌申、本門田并楽音寺」敷地事、為下令二明申一候上、 差二進」代官唯心一候、以二此旨一可レ有二申」御沙汰一候、恐々謹言、 (1282) 弘安五年七月廿五日 比丘尼浄蓮(裏花押) 進上 御奉行所御中…

自殺の中世史2─14 〜現世の浄土と自殺 分析編〜 (Suicide and Heaven on Earth part2)

【「自殺の中世史2─13」からのつづき】 嘉元二年(1304)九月十三日、石清水八幡宮山上の社殿で、閉籠していた大山崎神人たちが集団で切腹事件を起こしました。いったい、なぜこのような事件が起きたのでしょうか。まずは、この事件の概要を説明して…

自殺の中世史2─13 〜現世の浄土と自殺 史料編〜 (Suicide and Heaven on Earth part1)

【史料1】 嘉元二年(1304)九月十三日条 (『実躬卿記』5─240頁) (源師重) 〔堯ヵ〕 十三日、〈壬戌、〉晴、(中略)抑万里小路大納言持参権別当桑清法印状、備叡覧、 此事八幡大山崎神人致嗷訴之余、自去比閉籠社頭、閉三方楼門立籠、追出御殿…

安芸国楽音寺

『安芸国楽音寺 ─楽音寺縁起絵巻と楽音寺文書の全貌─』 (広島県立歴史博物館、1996) *単なる備忘録なので、閲覧・検索には適していません。 また、誤字・脱字の訂正もしていません。 「楽音寺の歴史」 《沼田庄と沼田氏》 楽音寺は、真言宗御室仁和寺…

楽音寺文書1

解題 当寺は、沼田庄の開発領主であった沼田氏が創建した寺である。現在は真言宗であるが、応永以前は天台宗であった。この寺創建の事情を同寺縁起絵巻は次のように記している。沼田氏の先祖藤原倫実は承平天慶のころ安芸国に配流されていたが、藤原純友が乱…

てるてるビーフ、てるビーフ♪ (Magic spell for praying for fine weather)

応永三十一年(1424)七月十七日条 (『図書寮叢刊 看聞日記』3─47頁) (生島) 十七日、晴、明盛参、世事語之、牛一枚〈板切両方」ニ二頭書、〉持参、当絵所預 秀行筆云々、雨降之時牛ヲ逆ニ釣、然者雨晴云々、其為絵所ニ可令書之由兼仰付 了、仍持…

中村儀三郎氏所蔵文書2(完)

二 毛利氏奉行人書状(切紙) 在陣被レ遂二 御祈念一御久米被二差渡一候、則頂戴候、遠方御懇之儀難二申尽一之 候、又先日□階罷渡候時、御久米并御樽慥相届候、重々御心付忝存候、此表事朝鮮 国無二残所一至二唐堺一推詰御隙明候、帝王其外諸公家衆至大明国…

中村儀三郎氏所蔵文書1

解題 中村家は、代々、醤油醸造や塩浜の経営をしていた。明治初めに下市村(竹原市竹原町)戸長などをつとめている。 一 毛利輝元書状(切紙) ○以下二通、東大影写本ニヨル (小早川) 急度申入候、明後日廿六隆景乗舟候条、無二御油断一御渡海肝要候、仍動…

おすすめ書籍

現在私は、「楽しい古記録」や「中世の怪奇現象・妖怪変化特集」というカテゴリーで、日本中世の不思議な出来事や奇妙な慣習を紹介しています。こうした記事をまとめた研究書はないものかと探していたところ、ずいぶん前に出版されていたことを、最近知りま…

闇夜にかかる虹 (Moonbow)

文安元年(一四四四)閏六月十四日条 (『康富記』2─66頁) 【頭書】虹夜立事、康保有例、其外希有云々、 十四日壬戌、晴、後聞、今夜戌剋、乾方虹立云々、衆人見之云々、予不見之、虹者向 日立者也、日在東則虹立西、又日在西則虹立東方也、夜陰虹見事希…

唐崎文書1(完)

解題 唐崎家は代々竹原礒宮の神主を勤めた。当家にはほかに隆景連歌を蔵している。 一 吉川広家書状 為二其結願成就一申入候、御祈念所レ仰候、猶舜教可レ申候、恐々謹言、 十二月三日 広家(花押) 「書き下し文」 其の結願成就のため申し入れ候ふ、御祈念…

永井文書2(完)

二 関東御教書 護 伊予国北条郷地頭多賀江入道申、守○使乱入事、訴状遣レ之、於二篝松役所々一者、 被三停二止使入部一了、而被二放入一之条、甚無二其謂一、自今以後可レ被二停止一 之状、依レ仰執達如レ件、 (1240) (北条泰時) 仁治元年後十月五日 前…

永井文書1

解題 多賀谷(多賀江)氏は鎌倉時代に地頭として武蔵国から伊予国周桑郡北条郷に入部した東国武士である。南北朝時代末期には本拠を安芸国蒲刈島・倉橋島方面に移している。この文書はこの多賀谷氏に伝わった文書で現在は姻戚の永井氏に所蔵されている。 一…

国家的要注意人物 (A loose cannon in Medieval Japan)

嘉吉元年(一四四一)五月十六日条 (『図書寮叢刊 看聞日記』6─280頁) 十六日、晴、持斎如例、(中略)抑聞、異形之比丘尼自奥州上洛、此間徘徊云々、其 形有目一云々、但片顔ニ額より大なるこふありて、おとかひまてさかる、其下ニ 分明 有眼歟、不■■…

自殺の中世史2─12

正応五年(1290)四月一日条 (『実躬卿記』4─207頁) (亀山法皇御所) 一日、晴、早旦参禅林寺殿、(中略) 〔大〕 抑今日禁裏中門二番下人於池辺自殺、仍即舁出之云々、所存不審、不知其故、珍 事々々、 「書き下し文」 抑も今日禁裏中門大番の下…

自殺の中世史2─11

文永十一年(1274)十一月十一日付日蓮書状 (『鎌倉遺文』11748号文書) (前略) 抑日蓮は、日本国をたすけんとふかくおもへとも、日本国の上下万人一同に、国のほろふへきゆへにや、用られさる上、度々あたをなさるれは、力をよはす、山林にまし…

竹林寺文書(小野篁伝説) その8(完)

一 安芸国豊田郡入野郷篁山竹林寺縁起 その8 *送り仮名・返り点は、『県史』に記載されているものをそのまま記しています。ただし、大部分の旧字・異体字は常用漢字で記載し、割書は〈 〉で記載しました。本文が長いので、いくつかのパーツに分けて紹介し…

竹林寺文書(小野篁伝説) その7

一 安芸国豊田郡入野郷篁山竹林寺縁起 その7 *送り仮名・返り点は、『県史』に記載されているものをそのまま記しています。ただし、大部分の旧字・異体字は常用漢字で記載し、割書は〈 〉で記載しました。本文が長いので、いくつかのパーツに分けて紹介し…

妖怪たちの乱痴気騒ぎ (Yokai parade)

嘉吉元年(一四四一)二月二十七日条 (『図書寮叢刊 看聞日記』6─257頁) 廿七日、晴、時正中日也、持斎如例、(中略)抑此間一条もとり橋東爪ニ夜々有 (細川持常) 拍物、三ヶ夜めニ、細河讃州聞之、人を出して令見、忽然而失、妖物所行也、仍 公方へ…