周梨槃特のブログ

いつまで経っても修行中

小田文書59

   五九 久島郷田地貫高差出案

 

              此内一貫文八幡神田分

 一丁七反       八貫五百文       國正名

              此内一貫文東禅寺分ゆめん

 一丁七反       八貫五百文       國ゑた名

              此内五百文山とうきう

 一丁二反       六貫文         藤正名

        (抹消)   此内一貫五百文ちおん寺

 一丁三たん   むね 六貫五百文       むねもり名

              此内二貫五百文刀禰きう

 六たん        三貫文         しけ正名

 九たん        四貫五百文       久清名

 六反         三貫文         ためひろ名

              此内一貫文大さいめん

 一丁三反       六貫五百文       かねやす名

 二丁一反       十貫五百文       大 名

 七反はん       三貫七百五十文     國末名

 九たん        四貫五百文       正永名

              此内四百文神馬かいりやう

 一丁三反       六貫五百文       大さわ名 

 一丁七反       八貫五百文       しけ光名

 三たん        一貫五百文       くにひろ名

 七反         三貫五百文       よりさた名

 八反         四貫文此内一貫文さんしきう いわ

                        (逆さ文字)

 一丁三反       吉末名         「八反」

    以上寺家社家人きうともに八貫九百文のそき、

     (裏書)「以上廿丁一たん」

 

*書き下し文や解釈は省略します。

 

 「注釈」

「八幡」─久島郷内の大町八幡神社か。

東禅寺分湯免」─未詳。久島郷内か近隣の寺院でしょうか。あるいは、豊田郡本郷町

         南方にある真言宗御室派東禅寺(もと蟇沼寺)のことかもしれませ

         ん。湯免は、湯屋の運営費用として免除された金額だと考えられま

         す。

「山とうきう」─木こりが持つ鉈を「山刀」と呼びます(『日本国語大辞典』)。2

        0・61号文書に「東山御城こしらゑ時之山とう給分」と出てくるの

        で、山を切り開いたり、木材を切り出すような労働に対して免除され

        た給分かもしれません。

「ちおん寺」─20・61号文書より「慈恩寺」のことと考えられます。未詳。近隣の

       寺院でしょうか。

「大さいめん」─久島郷内の大歳神社か。

「神馬かいりやう」─61号文書より、厳島社の神馬の飼料のこと。