(端裏ウハ書)
「 青 景 右 京 進
吉見孫右衛門尉
洞雲寺 監寺禅師 興滋」
就二當御寺領丸山名事一、對二小幡方一申遣候、従二其方一被二着遣一之返事到来候
者、可レ被レ懸二御意一候、此由可レ預二御心得一候、恐々謹言、
五月六日 興滋(花押)
隆著(花押)
洞雲寺 監寺禅師
「書き下し文」
當御寺領丸山名の事に就き、小幡方に對して申し遣わし候ふ、其方より着き遣わさる
るの返事到来し候はば、御意に懸けらるべく候ふ、此の由御心得に預かるべく候ふ、
恐々謹言、
「解釈」
洞雲寺領丸山名のことについて、小幡行延方に対し、奉書をもって申し遣わしました。あなた様から小幡方へ遣わした手紙の返事が到来しましたなら、小幡にお気遣いなさるべきです。このことをご承知ください。以上、謹んで申し上げます。
「注釈」
「丸山名」─未詳。
「小幡方」─小幡行延。3・4号文書に現れる小幡興行の一族か。大内方の国人か。本
拠地は、佐伯区五日市町大字石内にある有井城(「有井城跡発掘調査報
告」http://sitereports.nabunken.go.jp/ja/11483)。
「監寺」─禅宗で、一寺を統率する役僧のこと。都寺に次ぐ重役。
*関連史料として、7・21号文書がありますが、どれもきちんと訳せません。