三三 毛利隆元書状
於二 厳嶋一一千部讀誦之事存立候、然者導師之儀申入候、被レ成二其心得一御執行
所レ仰候、猶奉行共可レ得二貴意一候、恐惶謹言、
(永禄四年ヵ)(1561)
八月十一日 隆元(花押)
洞雲寺
侍衣閣下
「書き下し文」
厳島に於いて一千部讀誦の事存じ立ち候ふ、然れば導師の儀申し入れ候ふ、其の心得
を成され御執行を仰ぐ所に候ふ、猶ほ奉行ども貴意を得べく候ふ、恐惶謹言、
「解釈」
厳島社で千部の経典を読誦する法会を思い立ちました。だから、法会の導師の件をお願い申し上げます。それをご承知になり取り仕切りなさることをお願いします。なお奉行たちはあなた様のお考えを伺うはずです。以上、謹んで申し上げます。
「注釈」
「侍衣閣下」─衣鉢侍者の略。「臨黄ネット用語解説」(http://www.rinnou.net/cont_01/words/words_sa.html)。