(ヵ)
二八 鞍彦右清任書状(切紙)
先以外聞と申、我等迄目出度候く、
其方被申分之儀具ニ申上候、然ハ西条にて浮米廿俵可レ被レ遣之由被レ仰候間、早々
被二打渡一候て、御奉書渡可レ申候、恐々謹言、
鞍彦右(ヵ)
十月廿五日 清任(花押)
(能美景重)
源兵衛殿 まいる
「書き下し文」
先ず以て外聞と申す、我等まで目出度く候べく候ふ、
其方申し分けらるるの儀具に申し上げ候ふ、然らば西条にて浮米廿俵遣わさるべきの
由仰せられ候ふ間、早々に打ち渡され候ひて、御奉書渡し申すべく候ふ、恐々謹言、
「解釈」
まず、体裁は整ったことを申し上げます。我々までめでたく存じます。
そちら能美景重殿が弁明なさった件は、詳細に毛利輝元様に申し上げました。弁明のとおりならば、西条で備蓄米二十俵を遣わすべきであると仰せになりましたので、早々にそれを渡しまして、御奉書も渡し申し上げるはずです。以上、謹んで申し上げます。
「注釈」
「鞍彦右清任」─未詳。毛利氏の奉行人か。
「源兵衛」─十代能美景重。
*難しくてよくわかりません。