一一 法眼郎舜奉書寫
福王寺免田等事、御寄進之状進レ之候、此上者爲二當寺御祈禱所一、可レ被レ進二毎
年御巻数一候也、仍執達如レ件、
(1329)
嘉暦四年八月廿八日 法眼郎舜奉判
謹上 福王寺別當御房
「書き下し文」
福王寺免田等事、御寄進の状之を進らせ候ふ、此の上は当寺御祈祷所として、毎年巻数を進らせらるべく候ふなり、仍て執達件のごとし、
「解釈」
福王寺免田のことについて、寄進状を進上します。この上は当寺をご祈祷所として、我々に毎年御巻数を進上なさるべきです。よって、以上のことを通達します。
「注釈」
「巻数」─「かんず」とも。経供養を依頼されて読誦した経巻の数を記した文書。経の
名目、度数を記した文書を花枝につけて願主に送った(『古文書古記録語辞
典』)。
「法眼郎舜」─未詳。
「福王寺別当御房」─未詳。