周梨槃特のブログ

史料紹介という修行

己斐文書10

   一〇 前能登守親冬寄進状

 

          寺⬜︎修理之時ハ面々人夫御出候て可修理候、親冬も人夫以下可進上仕

          也、

 畏申入候、

 抑眞如庵 成佛寺 引導寺 常楽寺 念福寺 万福寺寺領等、私之用要仁不

 (反ヵ)          (以)

 有⬜︎⬜︎態申事候、但公方事社役⬜︎下事ハ可御沙汰候、爲在⬜︎在論若無

  (懸)                  (懸)

 親冬態申事候間、子孫共田畠ニ用途不態事候、如此雖申候

 共在

  (後闕)

 

 「書き下し文」

 畏み申し入れ候ふ、

 抑も真如庵・成仏寺・引導寺・常楽寺・念福寺・万福寺の寺領等、私の用要に⬜︎⬜︎懸

 け申す事有るべからず候ふ、但し公方の事・社役以下の事は御沙汰有るべく候ふ、在

 ⬜︎在論としてもし親冬懸け申す事無く候ふ間、子孫共田畠に用途を懸くる事有るべか

 らず候ふ、此くのごとく申さしめ候ふと雖も在

   (後欠)

 

        寺⬜︎修理の時は面々の人夫御出で候ひて修理有るべく候ふ、親冬も人夫以下進上仕るべく

        候ふなり、

 

 「解釈」

 畏れながら申し入れます。

 さて、真如庵・成仏寺・引導寺・常楽寺・念福寺・万福寺の寺領等に対して、私親冬の必要に応じて、諸役を賦課し申し上げることはあるはずもありません。ただし、厳島社の年貢や公事、社役のことは、お勤めにならなければなりません。在□在論として、万一にも私親冬は用途を賦課することがございませんので、子孫たちもあなた様の田畠に私的な用途を賦課することがあるはずもありません。このように申し上げますが、

   (後欠)

 

        寺の修理のときには、面々が人夫をお出しになりまして修理をするはずです。私親冬も、人夫などを進上するつもりでおります。

 

 「注釈」

「公方」─厳島社へ納入する年貢や公事などのことか。

「在□在論」─未詳。