周梨槃特のブログ

史料紹介という修行

自殺の中世史2─12 〜動機未詳〜

  正応五年(1290)四月一日条        (『実躬卿記』4─207頁)

 

         (亀山法皇御所)

 一日、晴、早旦参禅林寺殿、(中略)

        〔大〕

 抑今日禁裏中門二番下人於池辺自殺、仍即舁出之云々、所存不審、不知其故、珍

 事々々、

 

 「書き下し文」

 抑も今日禁裏中門大番の下人池の辺りに於いて自殺す、仍て即ち之を舁き出すと云々、所存不審、其の故を知らず、珍事々々、

 

 「解釈」

 さて、今日禁裏中門の大番役の下人が池のあたりで自殺した。そこですぐにこの下人を担ぎ出したという。下人の考えははっきりしない。自殺した理由はわからない。一大事である。

 

 「注釈」

*今回の自殺者は、内裏中門の門番役だった下人です。彼は池のあたりで自殺したのですが、その理由がまったくわかりません。この後、穢が発生したという記事はないので、下人は死ぬ前に宮中から運び出されたか、生き延びたのかもしれません。今回は、これ以上の情報を得ることはできませんでした。