二四 小早川陽満弘景同盛景連署寄進状
(端裏書)
「十王免寄進状」
奉二寄進一
楽音寺内十王堂免田事
(横)
右為二浄琳禅尼後菩提一、梨子羽郷」南方模枕石代壹段、永代彼堂」令二寄附一所
也、毎月十日廿七日勤二」仏供灯油一、以二余分一上葺破壊時」可レ加二修理一者也、
於二子々孫々一守二此掟一、」敢勿二異失一、仍寄進状如レ件、
永享十二年〈庚申〉四月七日 沙弥陽満(花押)
平盛景(花押)
「書き下し文」
寄進し奉る 楽音寺内十王堂免田の事
右浄琳禅尼の後の菩提の為、梨子羽郷南方横枕石代一段を、永代彼の堂に寄附せしむる所なり、毎月十日・二十七日に仏供灯油を勤め、余分を以て上葺破壊の時修理を加ふべき者なり、子々孫々に於いて此の掟を守り、敢えて違失すること勿かれ、仍て寄進状件のごとし、
「解釈」
寄進し申し上げる楽音寺内十王堂免田のこと。
右、浄琳禅尼の後世の菩提のため、梨子羽郷南方横枕石代一段を、永久に寄進するところである。(この収納分をもって)毎月十日・二十七日に仏に供える灯油を用意し、残りをもって屋根が破損したときに修理を加えるべきものである。子々孫々においてこの掟を守り、けっして破ってはならない。よって、寄進状は以上のとおりである。