周梨槃特のブログ

史料紹介という修行

ライフワーク part1 ─古代史と古典籍─ (Study of suicide in Medieval Japan)

自殺の中世史 7 ─日本の古代5(憎まれることと自殺)─

弘仁元年(八一〇)九月十二日条 (森田悌『日本後紀(中)』巻二十、講談社学術文庫、2006) ◯己酉、太上天皇至二大和国添上郡越田村一、即聞二甲兵遮一レ前、不レ知レ所レ行、 中納言藤原朝臣葛野麻呂・左馬頭藤原朝臣眞雄等、先二未然一雖二固諌一、…

自殺の中世史 6 ─日本の古代4(死刑の予期と自殺)─

大同三年(八〇八)十一月四日条 (森田悌『日本後紀(中)』巻十七、講談社学術文庫、2006) ◯十一月辛巳、(中略)是夜、有レ盗、入二内蔵寮府一、為二人所一レ囲、時属二 大嘗一、恐二其自殺一、遣レ使告喩、投レ昏出去、(後略) 「書き下し文」 ◯十…

自殺の中世史 5 ─日本の古代3(自殺は悪死)─

『日本霊異記』中巻 (日本古典文学全集6、小学館、1975) 己が高徳を恃み、賤形の沙弥を刑ちて、以て現に悪死を得し縁 第一 諾楽の宮に宇の大八嶋国御めたまひし勝宝応真聖武太上天皇、大誓願を発したまひ、天平の元年の己巳の春の二月八日に、左京の…

自殺の中世史 4 ─日本の古代2(挫折と心中)─

「允恭天皇」『古事記』下巻(日本古典文学全集1、小学館、1973) 天皇崩之後、定木梨之軽太子所知日継、未卽位之間、姧其伊呂妹軽大郎女而歌曰、 阿志比紀能 夜麻陀袁豆久理 夜麻陀加美 斯多備袁和志勢 志多杼比爾 和賀登布伊毛袁 斯多那岐爾 和賀那久…

自殺の中世史 3 ─日本の古代1(献身的自殺)─

「応神天皇」『日本書紀』巻十(新編日本古典文学全集2、小学館、1994) 九年夏四月、遣武內宿禰於筑紫、以監察百姓。時武內宿禰弟甘美內宿禰、欲廃兄、即讒言于天皇、武內宿禰常有望天下之情。今聞、在筑紫而密謀之曰、独裂筑紫、招三韓令朝於己、遂将…

自殺の中世史 2 ─中国の場合2(思いやりと自殺)─

「孝婦の冤罪」 『捜神記』巻11─290(佐野誠子著・竹田晃・黒田真美子編『中国古典小説選2 捜神記・幽明録・異苑他〈六朝Ⅰ〉』明治書院、2006) 漢時、東海孝婦、養レ姑甚謹。姑曰、「婦養レ我勤苦。我已老。何惜二余年一、久累二年少一。」遂自縊…

自殺の中世史 1 ─中国の場合1(嫁いびりと自殺)─

「嫁の神様」 『捜神記』巻5─6(開放文學、http://open-lit.com/bookindex.php?gbid=119) 淮南全椒縣有丁新婦者、本丹陽丁氏女、年十六、適全椒謝家。其姑嚴酷、使役有程、不如限者、仍便笞捶不可堪。九月九日、乃自經死。 遂有靈向、聞於民間。發言於巫…

自殺の中世史 〜はじめに〜 (Introduction)

「数年前だったか、新聞紙上で、大宅映子さんのこんな行文にふれた。『死ぬとわかっていて、なぜ人間は生きてゆけるのか』、そういう根源的な問いに答えを出していくのが文学部というところだという、ある大学での講演のくだりである。」 鷲田清一「死なない…