周梨槃特のブログ

史料紹介という修行

日本中世の妖怪変化・怪奇現象特集(Yokai and Haunting written in medieval diaries)

両頭の蛇 (Two-headed snake)

永享五年(1433)閏七月二十七日条 (『図書寮叢刊 看聞日記』4─204頁) 廿七日、晴、朝両頭小蛇一方入頭穴之間不見、尾方有頭、両頭初而見、希有事也、 「書き下し文」 二十七日、晴る、朝両頭の小蛇一方の頭を穴に入るるの間見えず、尾の方にも頭…

神のお使い その2 ─北野天満宮とイタチ─ (Parivara of God Part2)

永享五年(一四三三)二月九日条 (『図書寮叢刊 看聞日記』4─145頁) 九日、晴、室町殿八幡社参、自今夕北野七ヶ日可有参籠云々、明後日一万句連歌御法 (二条持基) 楽也、執柄以下廿頭也、諸方連歌経営無他事云々、 (裏書) 「聞、室町殿八幡社参御…

強制参拝 ─女神様のアメとムチ─ (Forced worship ─Carrot and stick used by the goddess)

永享四年(一四三二)四月二十一日条 (『図書寮叢刊 看聞日記』4─44頁) 廿一日、晴、賀茂祭也、 (中略) (慈光寺) 抑持経参宮可同道之由、自今春約束申、然而依計会思留云々、而持経妻此間俄為狂 〔議〕 気神宮有御託宣、参宮思留之条不思儀也、不参…

壬生閻魔堂のかぐや姫 ─竹取物語の変異譚 part1─(The Princess Kaguya-like Yokai)

応永三十二年(一四二五)五月六日条 (『図書寮叢刊 看聞日記』3─123頁) 六日、晴、(中略) 〔閻〕 抑聞、此間壬生地蔵堂之内、炎魔堂柱朽損之間、加修理之処、柱内ヨリ女房 〔議〕 忽然而出来、則成長而番匠ヲ喰云々、若鬼歟、又蛛なと化現歟、不思…

未来からのサイン ─物言ふ動物─ (Signs of death)

応永三十二年(一四二五)二月二十八日条 (『図書寮叢刊 看聞日記』3─99頁) 参議右中将義量 廿八日、晴、入風呂如例、将軍他界実事也、昨夕云々、為天下驚歎、両三年内損、此 間興盛、種々被尽祈療、然而無其験、遂被堕命、当年十九歳也、尤可惜々々、…

疫神の中世的イメージ (Image of God of pestilence in the Middle Ages)

応永二十八年(一四二一)五月二十八日条 (『看聞日記』2─133頁) (冷泉範綱ヵ) (後小松上皇) 廿八日、正永参語世事、洛中病死興盛、言語道断事云々、此間仙洞有御夢想、相国 寺門前ニ牛千頭許群衆、門内へ欲入、而門主防之追出、前ニ進ム牛声ヲ出…

中世のファフロツキーズ ─空から鮒が降ってきた─ ("Rain of animals" in Medieval Japan)

応永二十七年(一四二〇)六月二十九日条 (『看聞日記』2─59頁) 廿九日、晴、晡夕立降、 (中略) 抑室町殿仕女局ニ鮒自天降下云々、不思儀事也、陰陽師火事之由占申云々、此局 洞院娘西御方也、其後此女房室町殿背御意、被成尼云々、所詮此女房恠異也…

天狗のイタズラ その1 (Tengu's mischief ─part1)

応永二十七年(一四二〇)六月二十七日条 (『看聞日記』2─59頁) 〔釈〕 廿七日、晴、酉時有大地震、帝尺動也、又有焼亡、〈申時歟、〉北小路油小路辺 云々、天狗洛中荒云々、先日中京辺在家四五間菖蒲を逆ニ葺云々、天狗所為歟、 炎旱非只事、御祈禱雖…

神の姿を見るタブー (Don't look at God)

応永二十六年(一四一九)六月二十五日条 (『看聞日記』1─284頁) 廿五日、晴、 (中略) 抑大唐蜂起事有沙汰云々、出雲大社震動流血云々、又西宮荒夷宮震動、又軍兵数十 騎広田社ヨリ出テ東方へ行、其中ニ女騎之武者一人如大将云々、神人奉見之、其後 …

厠の尼子さんとその眷属 ─足のない幽霊の初見について─ (The Yokai that appeared in the court)

【史料1】 応永二十五年(一四一八)十月二日条 (『看聞日記』1─234頁) 二日、晴、 (中略) (称光天皇) 去比禁中はけ物あり、女房腰より下は不見半人也、主上大便所ニて被御覧云々、 〔違〕 (白川) 其以後御遣例、此化人主上、資雅朝臣ニ有御物…

酒好きの狸 (A raccoon dog loves sake)

応永二十四年(一四一七)五月八日条 (『看聞日記』1─125頁) 八日、晴、勝阿参、一献持参、抑聞、今日一条辺酒屋下女一人来、取酒則飲帰之処、 犬来吠之、下女仰天逃去、人々犬を追、而犬猶走懸為食令叫喚、然間帽子ヲ落了、 頭ニ毛生有耳、其時はけ物…

室町時代の都市伝説 (Urban legends in the Muromachi period)

応永二十三年(一四一六)七月二十六日条 (『看聞日記』1─55頁) 廿六日、晴、 (中略) (録) 抑伝説記禄雖比興、風聞巷説記之、去比京下方辺米有沽却者、件家ニ男一人来テ マス 米ヲ買ヘシトテ、器物升ト云物ヲ預置、取ニ来ランマテ、此升ヲ持上ヘカ…

ありがとう、天神様! ─神をいたわる中世人─ (Symbiotic relationship between deity and human being)

応永二十三年(一四一六)五月二十一日条 (『看聞日記』1─32頁) (庭田) 廿一日、晴、重有朝臣出京帰参、世事語之、春日社・日吉社有怪異云々、春日宝前 辺穴俄出来、〈一夜之間出来〉、穴底ヘ棹ヲ差入深事及二丈云々、不思儀之間、 社家注進云々、又…

怪鳥来襲 ─バケモノの処理法─ (Monster bird appearance! -How to dispose of monsters-)

応永二十三年(一四一六)四月二十五日条 (『看聞日記』1─29頁) 廿五日、晴、聞、北野社ニ今夜有怪鳥、鳴声大竹ヲヒシクカ如云々、社頭モ鳴動ス、 二またの杉ニ居テ鳴、参詣通夜人消肝云々、宮仕一人以弓射落了、其形頭ハ猫、 身ハ鶏也、尾ハ如蛇、眼大…

銀の花

弘安三年(一二八〇)八月三日・四日・七日・二十一日条 (「弘安三年中臣祐賢記」『増補續史料大成 春日社記録』3─60〜67) 三日、申剋、五所の御寶殿ニ等、銀花開之由、神人令申之間、令實檢之處、數十本 (安倍)(土御門) 之間、銀實否依難治定、…

猪突猛進!

宝徳三年(一四五一)九月十三日条 (『康富記』3─278頁) 十三日戊申 晴、 (中略) 是日或語云、今月七日就春日神木御入洛事、被制止之由、綸旨御教書等被成下南都、 使節奉行三人下向之日、朝之程、於宇治邊、自或藪中猪走出、(割書)「自元負手歟 …

異形の捨て子と連続する怪異 (Abandoned malformed child and weird phenomenon)

宝徳二年(一四五〇)八月九日条 (『康富記』3─196頁) 九日庚辰 晴、 (中略) 給事中令語給云、去月廿三日七條西洞院邊棄兒、人見及分馬之形也云々、依之賀三品 在貞卿尋問先蹤之間、披見諸道勘文、注出先例一通遣之云々、草案拜見了、仁徳天皇 御宇…

須佐神社文書 参考史料1の7(完)

小童祗園社由来拾遺伝 その7 *改行箇所は 」 を使って示しておきます。また、一部異体字を常用漢字に改めたところがあります。書き下し文についても、私の解釈に基づいて、原文表記を変更した箇所があります。 貧道生質愚昧にして」目睫さへ見ること不叶、…

須佐神社文書 参考史料1の6

小童祗園社由来拾遺伝 その6 *改行箇所は 」 を使って示しておきます。また、一部異体字を常用漢字に改めたところがあります。書き下し文についても、私の解釈に基づいて、原文表記を変更した箇所があります。 又伝ふ素盞嗚尊の御童児の御時は」御名を牛頭…

須佐神社文書 参考史料1の5

小童祗園社由来拾遺伝 その5 *改行箇所は 」 を使って示しておきます。また、一部異体字を常用漢字に改めたところがあります。書き下し文についても、私の解釈に基づいて、原文表記を変更した箇所があります。 于茲当山に金牛正銀と云者あり」十方勤化して…

須佐神社文書 参考史料1の4

小童祗園社由来拾遺伝 その4 *改行箇所は 」 を使って示しておきます。また、一部異体字を常用漢字に改めたところがあります。書き下し文についても、私の解釈に基づいて、原文表記を変更した箇所があります。 又山かつの昔語ニ素盞嗚尊ハ」伊弉議尊の第四…

須佐神社文書 参考史料1の3

小童祗園社由来拾遺伝 その3 *改行箇所は 」 を使って示しておきます。また、一部異体字を常用漢字に改めたところがあります。書き下し文についても、私の解釈に基づいて、原文表記を変更した箇所があります。 人王四十九代」光仁天皇御宇宝亀二年辛亥」詔…

須佐神社文書 参考史料1の2

小童祗園社由来拾遺伝 その2 *改行箇所は 」 を使って示しておきます。また、一部異体字を常用漢字に改めたところがあります。書き下し文についても、私の解釈に基づいて、原文表記を変更した箇所があります。 時に前なる」松の樹小鳩壱つがひ来り、是より…

須佐神社文書 参考史料1の1

【参考史料1】 小童祗園社由来拾遺伝 その1 「解説」(『甲奴町誌』資料編一、一九八八) この記録は小童祇園(現在の須佐神社)の神宮寺別当(貧道か)が小童祇園社の由来にかかわる種々の伝承を書き遺したものである。「二、須佐神社縁起」と同じ内容の…

この〜木、何の木? 餅のなる木〜♪ ─室町時代の餅花史料─

文安五年(一四四八)五月二日条 (『康富記』2─289頁) 二日丁亥 晴、 (中略) 一昨日室町殿祗候了、其時分、自大方殿、椿枝ニ餅之生タル被送進之間、人々稱奇異 見了、同於御前拜見之由令語給、此椿樹ハ嵯峨雲居庵之庭之椿也、赤キ餅ノちいさき が出…

須佐神社文書 その5(完)

一 須佐神社縁起 その5 *本文が長いので、いくつかのパーツに分けて紹介していきます。 一ひごのくにせらごおりひち村、むとうざんきおんしやふじやこずてんのふちん ざしだいき 座次第記 さんじや おうミやうちこさつす ひかしにじやどくきちんてんのふ、…

須佐神社文書 その4

一 須佐神社縁起 その4 *本文が長いので、いくつかのパーツに分けて紹介していきます。 (讃岐) 太郎王子、そふかふてんのふ、さぬきの國たきのやしろ、こすてんのふ、 (本) (日光菩薩) (大歳神) (魔王天王) ほん地につかふぼさつ、だいさいぢん…

須佐神社文書 その3

一 須佐神社縁起 その3 *本文が長いので、いくつかのパーツに分けて紹介していきます。 いそ もちゆき (疑) 一ふてあそばし給はゝ、急ぎ持行娘と娵とにかけけれバ、うたがいなくたすかり、 のかる 遁るものなり、 (札守) (立) (弓) こたん將來處に…

須佐神社文書 その2

一 須佐神社縁起 その2 *本文が長いので、いくつかのパーツに分けて紹介していきます。 (崇神天皇) (戊子) (疫癘) 一しゆぢんてんのふつちのへね、天下ニゑきれいはやる、しする物過分、 (欽明天皇) (丙寅) (民) 一きんめいてんのふひのへとら…

須佐神社文書 その1

一 須佐神社縁起 その1 *本文が長いので、いくつかのパーツに分けて紹介していきます。 (前闕) 「 」の中國 (牛頭天王) [ ]國こずてんのふ[ ]にあまつ (伊弉諾) (さなみふたヵ) [ ]七代に當て、いさなきい[ ]はしらの 尊を、中てん[ ]い…