(端裏書)
「山之状」
爲二當寺受用一、従二宮嶋一薪採用之事、如二前々一無二相違一可レ被二仰付一候、恐
惶謹言、
九月三日 景教(花押)
洞雲寺 衣鉢侍者禅師
「書き下し文」
當寺受用の爲、宮嶋より薪を採用するの事、前々のごとく相違無く仰せ付けらるべく
候ふ、恐惶謹言、
「解釈」
洞雲寺が使用するために、宮島から薪を採取すること。以前からのとおり、(大内義隆様から)相違なく許可なされるはずです。以上、謹んで申し上げます。
「注釈」
「景教」─厳島神主、佐伯景教(杉隆真)。大内氏によって、神主に据えられた。
「衣鉢侍者」─洞雲寺の訴訟担当者か。
*本州側の寺院で使用する薪を、宮島で採取していたようです。本州側のほうがたくさ
ん取れそうな気がするのですが…。洞雲寺は山林を領地として持っていなかったのか
もしれません。