三 小早川隆景感状寫
(安藝) (晴賢)
去朔日當國佐西郡厳島陶陣山斬崩時、敵一人討二捕之一、粉骨之至尤神妙也、
仍感状如レ件、
(1555)
天文廿四年十月廿一日 隆景〈御書判〉
神保五郎殿
「書き下し文」
去んぬる朔日当国佐西郡厳島陶の陣の山を斬り崩す時、敵一人之を討ち捕る、粉骨の
至り尤も神妙なり、仍て感状件のごとし、
「解釈」
去る十月一日、安芸国佐西郡厳島の陶晴賢本陣の山(塔の岡ヵ)を切り崩すとき、敵一人を討ち取った。このうえなく力の限りを尽くしたことは、いかにも感心なことである。よって感状は以上のとおりである。
「注釈」
「感状」─①戦功を賞でて武将から与えられる文書。中世には、恩賞知行について記し
た書状。②免許状。③褒状(『古文書古記録語辞典』)。