六 杉隆宣書状(切紙)
内々かの平二郎申しさい候条、於二此方一よくゝゝ相きわめ、すてにしき相調候、
城内之儀、右之人と申たんし、そのかくこ肝要にて候ふ、なを定兼可レ申候、恐々
謹言、
六月十六日 隆宣(花押)
(房家)
石井和泉守殿
進之候
「書き下し文」
内々に彼の平二郎申す子細候ふ条、此方に於いてよくよく相究め、既に仕儀相調ひ候
ふ、城内の儀、右の人と申し談じ、その恪勤肝要にて候ふ、猶ほ定兼申すべく候ふ、
恐々謹言、
「解釈」
内々にあの平二郎の申し上げる事情がありました件について、こちらで十分に究明し、すでに調整しました。城内の件については、右の人と相談し申し上げ、奉公に励むことが大切です。さらに、定兼が申し上げるはずです。以上、謹んで申し上げます。