周梨槃特のブログ

史料紹介という修行

楽音寺文書4

    四 六波羅施行状案

 

              (豊田郡)

  安芸国沼田庄雑掌実厳、与梨子羽郷  」地頭小早河美作守〈法名」本仏〉

  女子尼浄蓮代唯心、相論条々、

 一田地十四町余事

 一楽音寺田地事

  右任今年四月十二日関東御下知、可沙汰之状如件、

     (1288)

     正応元年十一月五日

               (北条盛房)

             丹波守平朝臣在御判

               (北条兼時)

             越後守平朝臣在御判

        ○本文書、前号文書トトモニ一紙ニ書カレル

 

*割書とその改行は、〈 」 〉で記しました。

 

 「書き下し文」

  安芸国沼田庄雑掌実厳と、梨子羽郷地頭小早川美作守〈法名本仏〉女子尼浄蓮代唯心と相論する条々、

 一つ、田地十四町余りの事、

 一つ、楽音寺田地の事、

  右今年四月十二日の関東御下知に任せ、沙汰致さしむべきの状件のごとし、

 

 「解釈」

  安芸国沼田庄雑掌実厳と、梨子羽郷地頭小早川美作守茂平〈法名本仏〉の女子尼浄蓮代唯心とが相論した各争点のこと。

 一つ、田地十四町余りのこと。

 一つ、楽音寺田地のこと。

  右の件は、今年四月十二日の関東下知状(3号文書)の命令のとおりに、支配しなければならない。

 

 「注釈」

「北条盛房」

 ─六波羅探題南方。正応元年(1288)〜永仁五年(1297)在職(『日本史総覧』二、新人物往来社)。

 

「北条兼時」

 ─六波羅探題北方。弘安十年(1287)〜永仁元年(1293)在職(『日本史総覧』二、新人物往来社)。