一二 寶□書状
預二御札一候、畏入存候、」抑 若宮御経免田地段」別之事、致二催促一之由蒙レ」
仰候、此事ハ去年閣被レ」申候之間、其分候之処、如レ此」承候、不二存知仕一候
間、不レ可レ及二」御沙汰一候歟、 内裏反銭」事ハ可レ有二御沙汰一候、追而」可二
申入一候、兼又久不レ懸二御目ニ一」非二本意一候、いか様近日以二参上一」可レ致二
其御礼一候、委細御使」令レ申候、恐惶謹言、
七月廿四日 寶□(花押)
法持院
御同宿御中
「書き下し文」
御札を預かり候ふ、畏れ入り存じ候ふ、抑も若宮御経免田地段別の事、催促致すの由仰せを蒙り候ふ、此の事は去年閣き申され候ふの間、其の分候ふの処、此くのごとく承り候ふ、存知仕らず候ふ間、御沙汰に及ぶべからず候ふか、 内裏反銭の事は御沙汰有るべく候ふ、追つて申し入るべく候ふ、兼ねて又久しく御目に掛からざること本意に非ず候ふ、如何様にも近日参上を以て其の御礼を致すべく候ふ、委細御使ひ申さしめ候ふ、恐惶謹言、
「解釈」
お手紙をいただきました。恐縮しております。さて、若宮御経免田の段銭のこと。段銭を催促せよとのご命令を受けました。この件は、昨年は捨て置き申されましたので(徴収しなかったので)、その分があります(残っております)からこそ、このように(このような命令を)お聞きしました。そちら様(法持院)は存じていませんので、ご催促しないのではないでしょうか。内裏段銭のことはご命令があるはずです。近いうちに申し入れるはずです。加えて、しばらく御目にかかっていないことは、本意ではありません。なんとかして近日中に参上してお礼を致すつもりです。詳細は使者に申し上げさせます。以上、謹んで申し上げます。