三二 小早川興平書状
若宮経免朝日田事、先規」御拘之由、証文旨得二其心一候、然」間以二其筋目一致二
契約一候上者、」全可レ有二御知行一候、社役等」儀聊無二怠慢一御祈念肝」要
候、恐々謹言、
六月廿七日 興平(花押)
法持院 進覧候
「書き下し文」
若宮経免朝日田の事、先規御拘ふの由、証文の旨其の心を得候ふ、然る間其の筋目を以て契約致し候ふ上は、全く御知行有るべく候ふ、社役等の儀聊かも怠慢無く御祈念肝要に候ふ、恐々謹言、
「解釈」
若宮八幡宮の経供養の免田である朝日田のこと。以前の取り決めによって、あなた様がこの朝日田とお関わりになっているという証文の内容を承知しました。したがって、その取り決めによって契約いたしますうえは、知行を全うなさってください。社役勤仕などの件については、怠けることなく御祈祷なさることが大切です。以上、謹んで申し上げます。
「注釈」
「若宮」
─若宮八幡。高山城内にあり、楽音寺法持院が管理した(『安芸国楽音寺 ─楽音寺縁起絵巻と楽音寺文書の全貌─』広島県立歴史博物館、1996)。この場合、経供養の費用を捻出する免田を指すと考えられます。
「朝日田」─未詳。