五七 小早川隆景書状(切紙)
猶々在陣之儀候之間、万々憑存候、
若宮御造営之事申談之様候、然者頃可レ被二相初一之条、為二奉行一横見助右衛門尉
差出候、万端被二仰聞一、頓御造畢、可レ為二祝着一候、猶彼者可レ申候、恐々謹言、
卯月十九日 隆景(花押)
法持院 机下
「書き下し文」
若宮御造営の事申し談ずるの様候ふ、然ればこのごろ相初められるべきの条、奉行として横見助右衛門尉を差し出だし候ふ、万端仰せ聞けられ、頓に御造り畢てば、祝着たるべく候ふ、なほ彼の者申すべく候ふ、恐々謹言、
なほなほ在陣の儀に候ふの間、万々憑み存じ候ふ、
「解釈」
若宮御造営の件について、ご相談することがございます。したがって、近いうちに話し合いを始めたいので、奉行として横見助右衛門尉を派遣します。諸事万端、横見に言ってお聞かせになり、急ぎ若宮を造り終えなされば、喜ばしいにちがいありません。さらにこの横見が申し上げるはずです。以上、謹んで申し上げます。