二 僧頼賢仏供米等注文
(前闕)
「
一二月十一月鎮祭両度御散米乃米六舛
已上白米一石七斗分 乃米二石一斗二舛五合
乃米一石七斗七舛
已上乃米三石八斗九舛五合
残五石九斗九舛一合
一畠四反已六舛代
所当二斗四舛
交分一斗六舛八合
延四斗八合已燈油也
一毎日御勤例時懺法、法花経一部、仁王経一部、観音経三巻、其外八幡厳島
護法、御勤有レ之、
(1229)
正安元年九月廿五日 僧頼賢
*書き下し文・解釈は省略します。
「注釈」
「鎮祭」
─『精選版 日本国語大辞典』によると、「諸神をまつり、その土地をしずめ固めるための祭儀。また、それを行なうこと」という意味になるが、「二月」「十一月」という言葉とセットで現れるので、「二月祈念祭」「十二月新嘗祭」のことを指すと考えられます。
「散米」
─うちまき・さんまい。打撤とも書く。①米をまく作法で、神に神饌として供える、邪気をはらうためにまく。陰陽師が行なった祓の方法である。②米の女房詞(『古文書古記録語辞典』)。
「乃米」
─能米とも書く。玄米(黒米)のこと、また年貢米一般を指していうこともある(『古文書古記録語辞典』)。
「交分」
─①年貢・地子の徴収に関わる費用として取られる付加税。十一世紀から所見。②容積の異なる枡による量り直しによって生ずる延(のび)、縮(ちぢみ)を交分と称した。年貢等の徴収に関与する保司・下司の得分となる。米で徴収するのは交米・交分米(『古文書古記録語辞典』)。