一二 楽音寺領年貢算用状
(前闕ヵ)
「
]田一反已三斗一舛代加文料一舛定
所当□三斗一舛
交分二斗一舛七合
延五斗二升七合
已上単米九石四斗八舛六合
一寺役分
正月一日御仏供餅料 白米五舛
八幡厳島護法御供餅料 白米五舛
御散米料 白米一舛
清酒三舛分 乃米六升
同三日御修正料物
御仏供料 白米三舛
懸餅十二枚分 白米一斗二舛
(後闕ヵ)
*書き下し文・解釈は省略します。
「注釈」
「交分」
─①年貢・地子の徴収に関わる費用として取られる付加税。十一世紀から所見。②容積の異なる枡による量り直しによって生ずる延(のび)、縮(ちぢみ)を交分と称した。年貢等の徴収に関与する保司・下司の得分となる。米で徴収するのは交米・交分米(『古文書古記録語辞典』)。
「延」
─桝の大小によって生ずる計算上の増加分。容量の大きい枡で量った米を小さい枡で量りなおすと、計算上の(見せかけの)増加分が生ずる。これを延(のび)といい、逆に減少分は縮(ちぢみ)という(『古文書古記録語辞典』)。