周梨槃特のブログ

史料紹介という修行

天狗のイタズラ その3 (Tengu's mischief ─part3)

  文明十一年(1479)正月二十二日条

         (『大乗院寺社雑事記』6─496頁)

 

    二十二日(中略)

 一吉野之山上ニ去朔日雷光鐘二出現、大鐘也云々、天狗所為也、不思儀事也云々、

 

 「書き下し文」

 一つ、吉野の山上に去んぬる朔日雷光り鐘二つ出現す、大鐘なりと云々、天狗の所為なり、不思儀の事なりと云々、

 

 「解釈」

 一つ。吉野の山上で、去る元旦に雷が光り、鐘が二つ出現した。大きな鐘であるという。天狗の仕業である。思いもよらないことであるという。

 

 On New Year's Day, two bells appeared at the same time as the thunder struck the summit of Mt. Yoshino. I hear it's a big bell. That's what the tengu did. It's unbelievable.

 (I used Google Translate.)

 

 

 「注釈」

「吉野(山)」

 ─大峰山脈の北端をなし、吉野川の左岸に位置する。青根ヶ峰(857・9メートル)から西北に続く尾根の総称。金峯山修験本宗の総本山金峯山寺蔵王堂をはじめ、源義経南朝の史跡で知られる。桜の名所としても有名で、下から順に下千本・中千本・上千本、さらに奥千本という。吉野熊野国立公園に属する(→金峯山→吉野町)。吉野山の名の文献上の初見は、「旧事本紀」に「茅渟県大陶祇女、随糸尋人、入吉野山、留三諸山」とある(『奈良県の地名』平凡社)。

 

 

*天狗のイタズラの紹介も、3度目となるとさすがに飽きてきます…。1度目は、軒先に挿した菖蒲を反対に挿し替えるという子どもじみたイタズラ。2度目は、イタズラでは済まされない放火教唆と殺人未遂。そして3度目が、大きな梵鐘の出現マジック。天狗とは、時に子どもっぽい振る舞いをする存在であり、時に凶悪な犯罪者であり、そして、時に一流のエンターテイナーでもあったようです。