三三 蓮花寺真正書状
仏通 蓮華御契約之儀、随二先代之筋目一、即以二末世一無二相違一申談所也、以二
此旨一新寄進而御智行之在所、師檀ニ申宣者也、恐惶敬白、
享禄五稔壬辰(1532)
正月十九日 真正(花押)
進上 仏通寺 参 衣鉢侍者閣下
「書き下し文」
仏通・蓮華御契約の儀、先代の筋目に随ひ、即ち末世を以て相違なく申し談ずる所なり、此の旨を以て新たに寄進して御智行するの在所、師檀に申し宣ふ者なり、恐惶謹言、
「解釈」
仏通寺と蓮華寺とのご契約の件について、先代のつながりに従って、後世まで契約を違えることなく相談し申し上げるところである。この趣旨により、新たにこちらから寄進して、そちらでご知行になっている在所を、師僧や檀家に申し伝えるものである。以上、謹んで申し上げます。
「注釈」
「蓮華寺」
─観竜山蓮花寺(蓮華寺)のことか。三原市久井町下津。もと真言宗で江木村稲生神社の供僧寺であったが、中興以後臨済宗仏通寺派となった(「下津村」『広島県の地名』平凡社)。