三七 浩雲周養書状 ○東大影写本ニヨル
又昨日之御書只今進レ之候、寺家ニ可レ被二留置一候、
(マヽ)
当寺代官三郎左衛門役目 殿様御判頂載之事、今度山御定之御一行対二寺家一被レ
出砌候之間、以二昨日首尾一伺申候之処、被レ任二先 御判之旨一如レ此被レ対二当
(桂)(真田)
納所一被レ成二遣 御判一候、然者景信景久副状被二認遣一候、何茂有二御拜見一後
(マヽ)
三郎左衛門ニ可レ被二頂載仕一候、如二副状文体一向後尚三郎左衛門対申談、役者
無二油断一可レ抽二馳走一候、此等之次第御惣番被二仰談一御演説肝要候、昨日茂
被レ免二周養拵一之由候、於二異儀子細一者就二御届趣一可レ加二教誡一候、拙僧茂弥
御山中馳走之儀不レ可レ致二心疎一候、為二御心得一候、恐々謹言、
永禄貳(1559) (浩雲)
十一月廿日 周養(花押)
「書き下し文」
当寺の代官三郎左衛門の役目、殿様の御判頂戴の事、今度山の御定めの御一行を寺家に対して出ださるる砌に候ふの間、昨日の首尾を以て伺ひ申し候ふの処、先の御判の旨に任せられ此くのごとく当納所に対せられ御判を成し遣はせられ候ふ、然れば景信・景久の副状を認め遣はされ候ふ、何れも御拜見有る後、三郎左衛門に頂戴仕らるべく候へ、副状の文体のごとく向後尚ほ三郎左衛門対へ申し談じ、役は油断無く馳走を抽づべく候ふ、此れらの次第は御惣番に仰せ談ぜられ御演説肝要に候ふ、昨日も周養の拵へを免ぜらるるの由に候ふ、異儀子細に於いては御届の趣に就き教誡を加ふべく候ふ、拙僧もいよいよ御山中馳走の儀心疎致すべからず候ふ、御心得を為し候ふ、恐々謹言、
又昨日の御書只今之を進らせ候ふ、寺家に留め置かるべく候ふ、
「解釈」
当仏通寺の代官三郎左衛門の役目について、小早川隆景様の御書状をいただくこと。今度、当山の掟一通を寺家に対してお出しになったときですので、昨日の成り行きを伺い申し上げましたところ、以前の隆景様の御書状の内容に従い、このように現在の納所に対して御書状をお遣わしになりました。だから、桂景信・真田景久の副状を書いてお遣わしになりました。どちらもご拝見になったのちに、三郎左衛門に御書状と副状をお渡しくださいませ。副状の内容にように、今後もやはり三郎左衛門は当寺の要望に応じて相談し申し上げ、職務は油断なく奔走しなければなりません。これらの事情は御惣番にご相談になり、寺中に説明することが肝要です。昨日も私周養のはかりごとをお許しになったということです。異論や詳細については、お届けの内容について教え戒めるべきです。私もますます寺中のために奔走することを疎かにするつもりはありません。ご理解ください。以上、謹んで申し上げます。
また、
*書き下し文・解釈ともに、よくわからないところばかりです。