沙石集(完)
ライフワーク part1 ─古代史と古典籍─ (Study of suicide in Medieval Japan)
ライフワークの中間整理(Interim report of suicide research)
Life Work
沙石集(完)
「死の道を知らざる人の事」十二『沙石集』巻第八ノ五 (『新編日本古典文学全集』52、小学館、2001) 天竺に、那蘭陀寺の戒賢論師と云ひしは、付法蔵の三蔵、やんごとなき智者にて、玄奘三蔵の師なり。重病に沈みて、苦痛忍び難かりければ、自害せん…
「薬師・観音の利益によりて命を全くする事」『沙石集』巻第二ノ四 (『新編日本古典文学全集』52、小学館、2001) 尾張国に、右馬允某甲と云ふ俗ありけり。承久の乱の時、京方にて杙瀬河の戦に、手あまた負ひてけり。既に止め刺して打ち棄ててき。武…
「臨終に執心を畏るべき事」『沙石集』巻第四ノ五 (『新編日本古典文学全集』52、小学館、2001) 近比、小原に上人ありけり。無智なりけれども、道心の僧にて、かかる浮世に、長らへてもよしなく思ひければ、三七日、無言して、結願の日、頸をくくり…