周梨槃特のブログ

いつまで経っても修行中

傷つく神

文明三年(1471)八月十四日条 (『経覚私要鈔』9─25頁) 十四日、甲寅、霽、 (中略) (実世)宮内卿公宥源 (摂津住吉郡) 一八条三品子息住吉辺ノ寺〈千住院」住人也、〉語云、五月比住吉神馬二疋 (マヽ) (津守国昭) 在之、五日分二疋ナカラ…

楢崎文書10

一〇 穂田元清書状 (可ヵ) 有 御捻致拜見候、御談合ハ我等先之通にて□被仰候か、それハそとにて候条、可如何候哉、 (捻封ウハ書) 「 (小早川) 四 隆景様 まいる 人々御申 御返 元清」 「書き下し文」 御捻り拜見致し候ふ、御談合は我ら先の通りにて仰…

楢崎文書8・9

八 毛利輝元書状(折紙) (三澤) (大庭賢兼) 為虎へ此者可遣候趣、可被仰聞候、我等書状も大加ニ御認させ候へく候、 恐々謹言、 右馬 五月廿日 輝元(花押) 「書き下し文」 為虎へ此の者を遣はすべく候ふ趣、仰せ聞けらるべく候へ、我ら書状も大加に御…

楢崎文書7

七 毛利輝元書状(折紙) (備中) 備中江検使之儀、松山・幸山先両所へ可遣由候、松山へ申分候条、井上神左衛門尉 黒杭周防守 羽又右 黒杭周 羽仁又右衛門尉◯罷上候て、井神事者返事聞候て一旦可罷下候、羽又逗留肝要候、 (元和) 備後 (備前) 幸山へハ…

楢崎文書5・6

五 毛利輝元書状(折紙) 彼是其元之様体具相伺候而、可罷帰候、市佑事者、明日可差越候、為意得候、 謹言、 六月十九日 輝元(花押) (国司元武ヵ) 国右 「書き下し文」 彼是其元の様体具に相伺ひ候ひて、罷り帰るべく候ふ、市佑の事は、明日差し越すべく…

楢崎文書4

四 毛利輝元書状 (安芸豊田郡) 此者事、御用之通被仰越候間参候、とかく乃美まて成共御出候ハてハと存候、 (兒玉就方) 尚兒周可申候、恐々謹言、 三月六日 輝元(花押) 隆景 参 御宿所 「書き下し文」 此の者の事、御用の通り仰せ越され候ふ間参り候ふ…

倒れる火柱

寛正三年(1462)五月十三日条 (『経覚私要鈔』5─293頁) 十三日、丁未、霽、(中略) 一或説云、自相国寺池火柱三本立了、一ハ仏殿方ヘ倒了、一ハ室町殿方ヘ倒了、 一ハ南ヘ倒了云々、令卜筮之処、南ヘ倒ハ南都希也占申云々、可恐々々、 「書き下…

楢崎文書3

三 毛利輝元書状 (安国寺恵瓊) (就長) 西堂下着付而、林木工事弥可召上之通、得其意申候、重々申遣之候、恐々謹言、 十一月五日 輝元(花押) (捻封ウハ書) 「 右馬 隆景 まいる〈御返」申給へ〉 輝元」 「書き下し文」 西堂下着に付けて、林木工の事…

楢崎文書1・2

解題 楢崎氏は正慶二年(1333)、備後国芦田郡久佐村地頭職を賜った宇多加賀守にはじまる。この時より、久佐村楢崎山に居住し楢崎をもって氏とした。その後、三河守豊景は毛利元就に属し、神辺の陣、筑前立花の陣に加わる。朝鮮の役にも従うが、その一族…

糸碕神社文書1・2(完)

解題 この神社は天平元年(729)宇佐より八幡を勧請したのにはじまるという。また鎮座地は神功皇后西征の時に船をつないだ長井浦であるとの伝説もある。隆景時代に小早川氏から厚い保護を加えられていたが、現在も三原の大氏宮で、東野、山中両村と東町の…

ぼろぼろの死生観

『徒然草』第百十五段 (『日本古典文学全集27』小学館、1971年、182頁) 宿河原といふところにて、ぼろぼろ多く集まりて、九品の念仏を申しけるに、外より入り来たるぼろぼろの、「もしこの御中に、いろをし房と申すぼろやおはします」と尋ねけれ…

命の価値

『徒然草』第九十三段 (『日本古典文学全集27』小学館、1971年、166頁) 「牛を売る者あり。買ふ人、明日その値をやりて、牛を取らんと言ふ。夜の間に、牛死ぬ。買はんとする人に利あり、売らんとする人に損あり」と語る人あり。 これを聞きて、か…

法常寺文書1・2(完)

解題 この寺はもと新庄(竹原市)にあった。正嘉二年(1258)沼田小早川茂平の二男政景が竹原小早川氏を起こして以来、同氏の菩提所となり、初代政景から十二代興影までを葬った。 往昔は天台宗であったが、天文十八年(1549)、洞雲寺(佐伯郡廿日…

空飛ぶ障子! 〜未確認飛光物体 その2〜

寛正三年(1462)五月二日条 (『経覚私要鈔』5─288頁) 二日、丙申、天曇、 (中略) (成身院) 一随身院経誉僧都来、語申云、相国寺内より障子ノ勢ホトノ物光テ西ヲ指飛、此条 (×入) 可申入欤如何哉之由、面々談合之処、不申入者不可然之由面々…

宗光寺文書2(完)

三 小早川隆景自筆書状 寔ニ夕部は参申承候、本望候、御煩ニいよゝゝよく候て、しかるへく候、 此かけかう唯今調合候間、進之候、委細者外記可申候、かしく、 九月三日 隆景(花押) (捻封ウハ書) 「 御返事 申給候キ」 「書き下し文」 寔に夕部は参り申し…

弓矢の道・兵の道

「宗行の郎等虎を射る事」『宇治拾遺物語』巻第十二・第十九話 (『日本古典文学全集』二八、小学館) 今は昔、壱岐守宗行が郎等を、はかなき事によりて、主の殺さんとしければ、小舟に乗りて逃げて、新羅国へ渡りて、隠れて居たりける程に、新羅の金海とい…

宗光寺文書1

解題 天正五年(1577)、小早川隆景は実父母である毛利元就夫妻の年忌にあたり、沼田新高山城の南麓に雲門山匡真寺を建てたのが、当寺のおこりである。隆景は三原移城に際して現在地へ当寺を移させた。 福島氏が入部するや養山和尚が住職を仰せ付けられ…

白井著書

白井聡『武器としての「資本論」』(東洋経済新聞社、2020年) *単なる備忘録なので、閲覧・検索には適していません。 また、誤字・脱字の訂正もしていません。 第4講 新自由主義が変えた人間の「魂・感性・センス」─「包摂」とは何か P62 「形式的包摂…

三原城城壁文書(楢崎寛一郎氏舊蔵)23(完)

二三 毛利輝元書状 ◯御調郡誌所収文書ニヨル 就元太表之儀、先日申入候処、御懇之御返事にて本望候、然者彼要害之儀大剛 在之候條、此儘詰口差寄可申候、兼而如申談候、誠無尽期乍御辛労、来十六日被成 御出張候者可為本望候、委細者隆景可被申談候、御馳走…

三原城城壁文書(楢崎寛一郎氏舊蔵)22

二二 毛利輝元書状 ◯御調郡誌所収文書ニヨル (備前兒島) 就元太表之儀、先日以使者申入候処、一左右次第可預御馳走之通、誠乍毎事本望 (阿波三好氏) (伊予越智郡) 之至候、然者阿州衆後巻仕候之由、此時者非可致油断儀候條、隆景事不日中途 (至ヵ) …

鹿を引き連れる春日大明神 付:怪異もろもろ

寛正三年(1462)四月十六日条 (『経覚私要鈔』5─277頁) 十六日、辛巳、霽、(中略) 一猿沢池反色候、以外事候、次於西御門前蛙戦候、一方ハ慈尊院前出る候ける、 〔仁〕 人々多以見云々、両篇先以可謂希欤、可驚、次元興寺二王躰罷出見之候、 い…

三原城城壁文書(楢崎寛一郎氏舊蔵)20・21

二〇 元田家吉請取状 当月分御丹別銭四拾貫文、慥請取申候、恐々謹言、 (1570) 永禄拾三年 十月五日 家吉(花押) (捻封ウハ書) 「 元田豊前守 友国刑部左衛門殿 参 家吉」 「書き下し文」 当月分御段別銭四拾貫文、慥かに請け取り申し候ふ、恐々謹言、 …

三原城城壁文書(楢崎寛一郎氏舊蔵)19

一九 毛利輝元書状(切紙) 鉄炮衆之儀被仰越候間、急度可差上候、何れの口へ可差遣候哉、此御返可承候、 若又其元ニ被置せ事候ハゝ、御用時差上候様可申付候間、其内此表置可申候、 何時も御一左右次第可差上候、自然遅々候すると可被思召候、少も其段ハ不…

三原城城壁文書(楢崎寛一郎氏舊蔵)18

一八 小早川氏奉行人連署書状(モト折紙カ) 態申入候、此表羽柴打下被及御行候、就夫元春様御打廻付而御兵粮莫太入申候、 此時之儀候間、貴僧米五百俵御用ニ可有御立候、然者当秋由宇之御土貢御抧候而 可有御取候、米無御所持候者[ ]以他借[ ]辻を[ ]…

気になる狛犬 その5(追加継続中)

広島県福山市北吉津町「福山八幡宮」 岡山県笠岡市金浦「恵美須神社」 *子取り型 高知県長岡郡大豊町杉「八坂神社」 *阿形:太鼓乗り型 吽形:岩乗り型(岩狛) 鳥取県鳥取市覚寺「摩尼寺」 *三宝塔台座の狛犬 島根県松江市美保関町美保関「美保神社」の…

三原城城壁文書(楢崎寛一郎氏舊蔵)17

一七 上杉氏奉行人連署書状案 覚 (上杉) 一謙信於心馳者毛頭不被存油断候、淵庭御使者中御見聞之事、 一今日迄者存分之儘ニ候、三ヶ国無事之儀、是者謙信存分之旨候間、於越甲計者 可応 上意候歟、相州於可被差添者、被致滅亡候共亦得御勘当候共、無二存切…

人間を産んだ猿

寛正二年(1461)十一月二十五日条 (『経覚私要鈔』5─184頁) 廿五日、(中略) 一或者語云、於山東谷猿生子、此子人也、人嘆之、猿返答云、来月内ニ三日帷を 着ヘキ事可在之、其ヲ咲カシト云説在之、 「書き下し文」 一つ、或る者語りて云く、山の…

三原城城壁文書(楢崎寛一郎氏舊蔵)16

一六 宍戸隆家書状 (春綱) 御両通拜見申候、湯原右京進方への御状則可持遣候、心得申候、又御陣屋道具少 進之置処御懇之儀候、弥御用等候者可被仰聞候、猶自是可得御意候、恐々謹言、 八月八日 隆家(花押) (捻封ウハ書) 「 左衛 隆景 まいる 御返人々…

周梨槃特の巨木コレクション その6(追加継続中)

大分県宇佐市南宇佐「宇佐神宮祈祷殿前の大楠」 「摂社八坂神社の楠」 大分県豊後高田市田染蕗「富貴寺のイチョウ」 「榧の木」 大分県杵築市奈多「奈多宮の楠」 広島県三次市三良坂町灰塚「灰塚のナラガシワ」 京都府京都市左京区鞍馬本町「由岐神社の大杉…

三原城城壁文書(楢崎寛一郎氏舊蔵)13〜15

一三 宮某書状 ]申こしまいらせ候、御心やすかるへく候、文うけとり申候、 (逗留) 心へまいらせ候、我々事いつれも二三日ハとうりう申、御さうなをゝゝ うけたまはり候へく候、かしく、 (輝元様) (吉田) けさ御返事ミまいらせ候、てるもとさま御くた…