周梨槃特のブログ

いつまで経っても修行中

2016-06-01から1ヶ月間の記事一覧

吉事!? 凶事!? どっちよ…(Fortune!? misfortune!? Which is it?)

文明十八年(1486)八月十二日条 (『長興宿禰記』188頁) 十二日、甲申、晴、 後聞、今夜室町殿不思儀有恠異、御母儀(割書)「一位殿」御方御倉前庭、有合戦 聲・兵具打合音令騒動、番衆輩奔散令驚之処、無人一向無其形云々、陰陽賀・安両 (土御門…

小田文書21

二一 守藝善樟連署首座官銭請取状 納 首座官銭之事 合壹貫文者 (所) 右爲二恵厳首座分一◻︎二請取一如レ件、 (1570) 元亀元午庚年九月十七日 侍眞守藝(花押) 守塔善樟(花押) 栗棘庵 「書き下し文」 納む 首座官銭の事、 合わせて壹貫文てへり、 右恵…

小田文書20 ─田植祭と牛供養─

二〇 久嶋郷所當注文 御神領山里久嶋郷 合百貫文此内除レ之 一壹貫文 八幡領八月十五日祭田 一壹貫文 十月初亥ノ御祭大歳之御神領 一壹貫五百文 慈恩寺領 一壹貫文 東禅寺領 (免) 一五百文 湯面 一貳貫五百文 刀禰給分 一壹貫文 催仕給分 (給分ヵ) 一四…

小田文書19

一九 盛勝名主職充文 (正) 久嶋重政名主職事、太郎左衛門申付候、然者社役御公事、任二先例一可レ勤者也、 仍状如レ件、 (1473) 文明五年巳癸十一月廿七日 盛勝(花押) 「書き下し文」 久嶋重正名主職の事、太郎左衛門に申し付け候ふ、然れば社役・御公…

怪異!? 蛙合戦(Mystery! ? Frog's battle)

延徳四年(1492)四月四日条 (『晴富宿禰記』158頁) 四日甲辰 晴 (中略) 今朝於二条室町薬師堂傍、蛙合戦[ ]堀溝七八ケ間之間、蛙充満飡合之後、 [ ]退畠辺蛙子四千百有之云々、 「書き下し文」 四日甲辰 晴る、 (中略) 今朝二条室町薬師堂…

小田文書18

一八 久島郷内重正道房名田譲状 (譲渡) 永代ゆつりわたす重正名之事 合 公方二反 あかり一反 しやくゑん分一反 (退轉) (實) 右ゆつりハ、左京公方越あい候てたいてん仕候間、◻︎九郎二郎ニゆつりわたす所しち (頭) なり、同余所ともにわたし申、しや…

小田文書17

一七 親遠下地充文 宛下 久嶋なら原のしやくゑんか跡之事 合参反 右の下地者、しやくゑんか譲状の旨にまかせて、三郎左衛門に令レ下レ地者也、此上 (他) 者無二代妨一、永代子々孫々迄、可二領地一に計下状如レ件、 (1442) 嘉吉二年壬戌八月十五日 親遠…

ヤブ医者

延徳二年(1490)十一月二十六日条(『晴富宿禰記』153頁) 廿六日甲辰 晴 (中略) (足利義視) 准后将軍厳親腫物御所労尻、已御難儀之間被召諸医師、松井兵部卿自昨日進御良 (貞盛法印) 薬、此間竹田進御薬無御験之間、兵部卿薬御服用也、又江州…

小田文書16

一六 親淳下地充文 宛下 久嶋なら原のしやくゑんか跡之事 合 (マ丶) 右件の下地、しやくしんか譲状の旨ニまかせて、馬次郎に令レ下レ地者也、此上者 (他) 無二代妨一、永代子々孫々迄、可二領地一によて計下状如レ件、 (1434) 永享六年十月十六日 親淳…

追放と帰参

延徳二年(1490)十一月三日条 (『晴富宿禰記』151頁) 三日辛巳 晴 (中略) 夜前南禅寺早鐘物忩之間、遣人之処、以前擯出之僧欲帰入、不可叶之由大衆蜂起 云々、冬至也、 「書き下し文」 三日辛巳 晴る、 (中略) 昨晩南禅寺早鐘物騒の間、人を遣…

小田文書15

一五 そう四郎入道去渡状 永代をかきりさりわたし申候田の事 合二反者つほもとハそう三郎かりそんふん四百田一反五百田一反なり、 (筑紫立花) (陣) 右件の名田者、つくしたちはなの御ちんの時、御公事をゑつかまつり候ハす候によつ (去渡) (若)(何…

ナゾの発光体

文明十一年(1479)七月廿日条 (『晴富宿禰記』105頁) 廿日甲戌 霽 (中略) (マ丶) 昨夜光物在禁中、人魂之由風聞云々、条々恠異非一事、皆以恐怖且又云々、 「書き下し文」 廿日甲戌 霽る、 (中略) 昨夜光る物禁中に在り、人魂の由風聞くと云…

小田文書14

一四 詮武名田充文 宛行 久嶋内久清名之事 合壹[ (マ丶) 右彼名田者、代々下知状於所持候上、於帯二[ ]之譲状一候之間、支證分明者也、 仍長原之近江房仁申付候者也、就レ其社役年貢公事等、任二先例一可レ致二其沙汰一 状如レ件、 (1418) 應廿五年十…

小田文書13

一三 とらいち女田地譲状 (ゆ) (地ヵ) ◻︎つりあた[ ]の事 (定) 合壹所◻︎ 在所しけまさ名の[ [ 神のうてん二ももち[ [ ]とら一のめ子分なり、 (たヵ) (實)(なヵ) 右田地同いやしきふんにて候、ひこ太郎にゆつりあ◻︎ゑるところしち◻︎り、 …

痴情のもつれ、行きすぎたDV(Affair and Terrible DV)

文明十一年(1479)五月五日条 (『晴富宿禰記』93頁) 五日辛酉 雨、自巳剋止、幸甚々々、 佳節幸甚々々、 今日四条西洞院〈西洞院西四条北頬〉在家夫婦又妾有之、彼婦妬妾而 責夫、仍夫害婦并小子、希代所行也、挙町驚見、欲告所司代、夫則逐電云々、 此…

小田文書12

一二 重正名内右馬二郎知行田畠注文 (進退) (散畠) (事)(久清) 右重正之内、右馬二郎心代は、さんはく等の◻︎、ひさきよ名のおかきり、とう (分) (河お分) めん与こあせお◻︎、[ ]しやう原おといてお分、三なお分、おちあい (かわお河上) (法…

猿も井戸に落ちる!?

文明十一年(1479)正月三日条 (『晴富宿禰記』165頁) 三日庚申 晴 (傍注)「定日不知之」上辺井中(以下割書)「慥不知其在所」山猿落入、軅出而 去云々、風聞之間記之、 「書き下し文」 「定日之を知らず」上辺の井中に「慥かに其の在所を知らず」山…

小田文書11

十一 地頭親景親房連署下知状 (与) (右) 右馬入道後家尼◻︎二同子息◻︎馬次郎一相論久嶋郷内重正名間事 右如二後家尼申一者、重正名内於二□畠牛下人以下細々物等一者、右馬入道譲与二于 (条ヵ) 後家并孫子虎菊女一之處、嫡子右馬次郎令二押領一之◻︎無レ…

小田文書10

一〇 厳島社惣政所公事免状案 大窪長原百姓等申 (以下事ヵ) 社役[ ] (垣料所)(於) 右長原者引聲料所、大窪者依レ爲二竹◻︎◻︎◻︎一、◻︎二社役以下御公事一者御免之 由申間、相尋之處、不二勤仕一之条分明上者、令二免除一處也、仍状如レ件、 (1349) …

龍の住む池(The pond where the dragon lives)

文明十年(一四七八)三月九日条 (『晴富宿禰記』40頁) 九日辛未 晴 (中略) 抑殿中泉殿水、家門有子細時可濁之由、見後普光園院殿御置文、今度(以下割書)「去十一月十一日」放火以前、此水濁之由、御随身御留守之輩令申、于今猶不清、一昨日被竜供之…

楽しい日記 その1(完)

古文書の紹介の合間を縫って、不思議だ! おもしろい!と思う古記録の記事も紹介してみようと思います。 今昔物語集や沙石集など、中世にはおもしろい説話集がたくさんありますが、日記のなかにも、個人的におもしろいと思う記事が出てきます。 以後、不定期…

小田文書9

九 本府催延末酒肴請取状 本府催之十八人 酒肴一具事 右任二先例一所二請取一如件、 (1326) 嘉暦元年 本府催延末(花押) 「書き下し文」 本府催すの十八人 酒肴一具の事 右先例に任せ請け取る所件のごとし、 「解釈」 本府が集めた十八人の酒肴の品一式の…