周梨槃特のブログ

いつまで経っても修行中

2021-01-01から1年間の記事一覧

仏通寺文書15

一五 宗綱恵統書状 其後依下無二差事一候上不レ申二案内一候、随而住持被レ退候由承候、驚入候、殊更 造 典座之役御辛労察申候、兼又、観音像一体奉レ造度存候、同候者是の聖僧申て候、 仏師上手にて候、栖雲庵へ御状一通被レ遣候て、御存知事にて候へハ、自…

仏通寺文書14

一四 清唯外三名連署規式写 ○住持記ニヨル 当寺入牌之本銭四十貫文之外、若有二入牌銭重出現一者、宜下加二彼本銭一番々度上レ 之、雖レ然或換二殿堂之上葺一或企二新造之大事一之時、住持番衆相共評議而取二彼 本銭之外加之余分一、以可レ用レ之、然後以二…

仏通寺文書13

一三 清唯外三名連署禁制 ○東大影写本ニヨル (端裏書) 「仏通寺規式」 禁制 仏通天寧并諸末寺之住持、不レ可レ請二叢林出頭之輩一、若有二違犯一者、門中同心 永可二罰擯一者也、 (1427) 応永三十四年正月 日 安心(花押) 玄胤 真知(花押) 清唯(花押…

仏通寺文書12

一二 小早川常嘉則平書状 ○東大影写本ニヨル (端裏書) 「含暉院開檀那」 当院開基檀那 松岩寿大師 碧渓重禅門両人事、造営以下被二成功一候之上者、追善事末代如レ今 御計候者、就二可レ然存候一進レ状候、此趣於二寺家一被二定置一候者目出度候、 恐惶敬…

仏通寺文書11

一一 清唯外三名連署規式 ○東大影写本ニヨル (端裏書) 「仏通寺住持式」 安心上座 道文書記 咸一侍者 永存蔵主 周竹侍者 禅慶上座 仏通天寧両寺住持、老僧四員交代、十二年後此六人、次第可レ令二住持一者也、 依二衆評議一、老僧四人加レ判、 (1423) 応…

仏通寺文書10

十 清唯外三名連署規式 ○東大影写本ニヨル (端裏書) (丹波) 「仏通寺天寧寺住持定」 安心庵主 道文書記 咸一侍者 (聖) (東谷) □崗庵主 案捴上座 聖日庵主 (笑花) (宝林) 祖間上座 真琢上座 真璨侍者 (千畝) (一笑) 永存蔵主 周竹侍者 禅慶上…

仏通寺文書9

九 清唯外三名連署規式 ○東大影写本ニヨル 一当寺住持、可レ守二三年之規式一事 始二於当年三月一至二来々年二月一、凡三十六月、 一番衆不レ可レ有二懈怠一事 (仏通寺・天寧寺) 若怠慢者不レ可レ許二両寺并門中出入一、 (一山中) □□□僧、不レ許二無レ伴…

仏通寺文書8

八 小早川持平書状 ○東大影写本ニヨル 就二入部之事一態御僧上給候、恐悦之至候、殊預二御礼物一候、祝着仕候千萬候、 炎天之時分暮々御音信畏入候、寺家之事毎事不レ可レ有二疎略一候、巨細ハ御僧 申入候也、恐々謹言、 六月廿一日 持平(花押) 侍者御中 …

天狗のイタズラ その4 〜天狗の女房による未成年者略取〜 (Pillage of minors by Tengu's wife)

「妖怪 天狗の女房」 文明十四年(1482)四月二十九日条 (『大乗院寺社雑事記』7─392頁) 廿九日(中略) 一東門院僧正来、(中略)龍花院方ニ可有祈祷云々、其故ハ天狗之女房松林院之 前ニ出現、人之子ヲ取テ東山内エ行了、其子取返云々、 「書き…

仏通寺文書7

七 小早川常嘉則平禁制状 ○東大影写本ニヨル 仏通寺山堺事、上者限二六郎丸下者櫛平一、南北河面限二大峰一、為二御寺山一也、 地下材木炭木等事令二停止一、御寺四方一里内者不レ論二堺内外一殺生事令二 禁断一、為二後日一巨細注申候、恐惶敬白、 応永廿三…

仏通寺文書6

六 宜舗書状 ○東大影写本ニヨル (豊田郡) 先日令二参上一委細申入候畢、抑今度申談候下地之事者、芸州生口島之向上庵者、 因為二仏通寺之末寺一、至二于永代一無二僧衆退転仁一可レ有二御計一候間、仍為二 陪堂闕如之時一、自二檀方一下地七段、以二代三十…

仏通寺文書5

五 後小松天皇綸旨写 ○東大影写本ニヨル (周及) 依レ為二芸州豊田郡仏通寺者愚中之本寺一、相二並南禅第一上刹一、永代可レ著二 紫衣法服一之旨、武家之奏状被二聞食一訖、宜レ奉レ祈二宝祚延長一、者依二 天気一執達如レ件、 (1409) 応永十六年 (海住…

仏通寺文書4

四 愚中周及書状 (足利義持)(則平) 京都を罷出候者軈可二罷下一存候処ニ、上意小早川しわさと被仰候、雖レ然其方へ 不レ下候間無二子細一候、雖二何時候一其方へ罷下候者、可レ為二同辺一間無二其儀一 (真知) 候、背二本意一存候、随而仏通寺の事覚隠…

仏通寺文書3

三 愚中周及規式写 ○住持記ニヨル 滅後定門徒寺坊主事〈大通禅師御自筆」自判有レ之、〉 (清唯) (真知) 留心〈金山第二世諱安久」阿州人俗ハ安宅〉 諾渓 覚隠 (玄胤) 宗孚庵主字希淳 春岩〈諱妙育濃州人」末后為二大衣鉢侍者一〉 覚伝 隣月〈定山和尚…

仏通寺文書2

二 愚中周及禁制 ○板ニ陰刻 禁制 第一 不レ許三一切女人入二寺中一事 第二 不レ許三一切酒入二寺中一事 第三 不レ許二年少沙喝畜一レ之事 已上三件永為二 仏通寺不易之規式一、 (1406) 応永十三年九月廿七日 住持 老比丘 周及(花押) 「書き下し文」 禁制…

仏通寺文書1

解題 沼田高山城主小早川春平は応永四年(1397)、彼が欽仰する禅僧の愚中周及を迎え「佳き山水」の地である現在の土地にこの寺を開創した。この寺は愚中が入唐に際し師事した仏通禅師にちなんで、仏通寺と名付けられた。その後、小早川氏一門の信仰に支…

大悪年の四十八堂阿弥陀参り

文明十一年(1479)十一月十五日条 (『大乗院寺社雑事記』6─513頁) 十五日 一近日奈良中四十八堂ノ阿ミタ仏ニ参詣スル事在之、当年大悪年也、此参詣ニ除 諸難云々、今日上下者共令参詣之由聞之、 「書き下し文」 一つ、近日奈良中四十八堂の阿弥陀…

米山寺文書9(完)

九 小早川泰雲隆景寄進往生講式装束目録写 往生講式粧束 (運慶) (作) 一仏面 八枚 但うんけひのさく 一飛行 六ツ 〈但縫はく」悉皆御内様并御局施入〉 一はたきぬ六ツ うす紅梅うらせんし 一天童のはたきぬ貳ツ 〈但縫はく裏同」内壹ツ縫はく施主」 御内…

米山寺文書8

八 泰雲様小早川隆景位牌免田畠打渡坪付写 自是寺領帳之分 松江之内立田 (六ヵ) 田中 田壹段貳畝廿歩 八斗七舛 太左衛門 かた田宮ノ前 堂之本 田七畝歩 九斗八舛 九郎兵衛 樋之坪 田貳段七畝歩 壹石三斗五舛 同 人 こも口 (マヽ) 樋之坪 田壹畝廿歩歩 壹…

中世における寺院の童について

丹生谷哲一「中世における寺院の童について」(『身分・差別と中世社会』塙書房、2005年、初出、大山喬平教授退官記念論集『日本社会の史的構造 古代・中世』思文閣出版、1997年) *単なる備忘録なので、閲覧・検索には適していません。 また、誤字・脱字の…

米山寺文書7

七 米山寺大寺分打渡坪付 米山寺 大寺分 畠三畝八歩 壹斗九升六合 与二郎 上ノ中 中ノ中六畝八歩 貳斗五舛 同 人 寺ノわき 中ノ中壹畝拾二歩 五舛六合 同 人 中ノ中六畝拾壹歩 貳斗五舛三合 同 人 壹畝あれ 壹舛五合 同 人 合畠数壹反八畝五歩 米七斗七舛 右…

米山寺文書6

六 泰雲様小早川隆景位牌免田給付状 泰雲様御位牌免 米山寺 豊田郡 一拾三石六斗九舛 安直村 同郡 一六石九斗八舛 同所之内松江 同郡 (惣定) 一貳石壹斗九舛 同所之内宗条 同郡 一拾貳石壹斗九舛三合 真良 以上三拾五石五舛三合 是者売地分之内石辻也、 (…

米山寺文書5

五 警固番帳(切紙) 番 帳 一番 福 井 新 介 山 陰 平 内 允 河 面 右 京 亮 仁賀藤左衛門尉 山陰新左衛門尉 勝力源左衛門尉 徳能弥右衛門尉 長岡五郎左衛門尉 増 原 与 次 郎 平 田 木 工 允 林二郎右衛門尉 内 別 作 新 三 田 門 小 次 郎 末國与三右衛門…

米山寺文書4

四 某書状 御書令二披見一候、如レ仰今度ハ村上河内守方就二下着一、各々同意趣申請候、然者 (伊予) 以二御使者一蒙レ仰致二恐悦一候、対二来嶋方一可レ致二相請一候、猶威書記用二 御状一候、恐々謹言、 (後闕) ○以上、二号カラ四号マデノ三通ヲ一巻ニ…

米山寺文書3

三 毛利氏奉行人連署寄進状(折紙) 以上 当山寺内、従二前々一存知之田畠貳拾石余地之事 (小早川隆景) 泰雲様御菩提所之儀候間、先度五十石之地加増候而御寄附候、いつれも清帳面以 (油) 相調候上、御判形可二申出一候、其内有二御安堵一、修造勤行不レ…

中世の〈遊女〉

辻浩和『中世の〈遊女〉』(京都大学学術出版会、2017年) *単なる備忘録なので、閲覧・検索には適していません。 また、誤字・脱字の訂正もしていません。 序章 〈遊女〉を理解するために P3 ここでいう山括弧つきの〈遊女〉とは、売買春に従事した女性の…

米山寺文書2

二 小早川隆景書状(切紙) 為二爰許一御音信御状、殊青銅百疋送給候、遥々御懇之儀畏入候、因州表之儀 用瀬・吉岡令二一味一大利之儀候間、珍敷儀候者重畳可申入候、恐々謹言、 十月廿九日 隆景(花押) (就安) 長井治部太夫殿 御返報 「書き下し文」 爰…

米山寺文書1

解題 この寺は初め天台宗で平安時代末の仁平三年(1153)に創建されたが、鎌倉時代に入り嘉禎元年(1235)小早川茂平によって、その境内に不断念仏堂が建立され、天台宗系浄土教の寺院の巨真山寺となっている。 小早川氏惣領家は巨真山寺を形成する…

天狗のイタズラ その3 (Tengu's mischief ─part3)

文明十一年(1479)正月二十二日条 (『大乗院寺社雑事記』6─496頁) 二十二日(中略) 一吉野之山上ニ去朔日雷光鐘二出現、大鐘也云々、天狗所為也、不思儀事也云々、 「書き下し文」 一つ、吉野の山上に去んぬる朔日雷光り鐘二つ出現す、大鐘なり…

極楽寺所蔵文書21(完)

二一 上里領門田村役人五郎右衛門尉抱分畠坪付 上里領 門田村役人五郎右衛門尉抱分畠 国兼 役人 屋敷小 五郎右衛門 同所 屋敷小 □屋 藤二郎 同所 畠参反 代五百文 五郎右衛門 かねひろ同所 下作 畠壹反 代貳百文 二郎兵衛 同所二所合 下作 畠壹反 代百文 彦…