解題
当宮の開創は明らかではないが、天応元年(七八一)宇佐八幡を勧請したとか、神護景雲三年(七六九)当地に配流された和気清麻呂の姉法均尼が建てたなどと伝えられている。平安時代末には御調別宮と呼ばれ、石清水八幡宮の別宮となっており、八幡地域は石清水の庄園となっていた。近世にも宮内村(三原市八幡町)と周辺十村は八幡庄と呼ばれ、当社を祭っている。この社は盛時には宮司・祝師・供僧をあわせて七十余人にもおよぶほどの大社であった。
戦国時代の文書三通のほかに、嘉吉年間の狛犬、文永十二年(一二七五)の奥書のある出三蔵記集録(県重文)、嘉禎年間の刊記のある経版木(県重文)など多数を蔵しているので付録(一〇八二〜一〇八四頁)に収めた。
(リ)
一御調境ハ岡之御堂ヨリ畝切□
(御調郡)
一木来八幡境ハ傾城岩
(御調郡) (ネ)
一三原境ハ大谷中山ウ子切リ
(岩)
一三原ヨリ境八坂傾城□
一備後安芸之境仏通寺間野之渡リ
(御調郡)
一杭境ハ大ウ子切リ
(分田数之事ヵ)
平田[ ] (有)
参反 壱石三斗 元ふと此外納色々□
参反 壱石壱斗 さいちやう同納有
(う田)
壹反 七斗 か□□此内貳斗ハ御年貢貳斗ハ
川成□斗屋敷分□□
(三) (被下)
壹反半 五斗 瀬戸
参反 壹石五斗 反銭貳百文ハといの末貳反籠被下
参 佃不審有
壹反 六斗 佃同にし
貳反 八斗 佃同ひかし
壹反 六斗此内壹斗貳舛 同西古屋敷
湯ノもり祭り (清十郎田)
壹反 六斗 同[ ]
壹反 六斗 佃きたのさこ
四反小佃 貳石四斗 湯之盛上
壹反小佃 六斗五舛 同湯之盛上
参反 壹石五斗 いたさこ
貳反小 七斗此内一反法屋者ニ いたさこ此内四斗御年貢
被下反銭をも 三斗友行屋敷分被下
(たさこ四郎太郎屋敷被下)
壹反 三斗 い[ ]
壹反 三斗 いたさこ宗延太郎五郎屋敷被下
壹反 三斗 いたさこ作人友行
年貢有 (一反はしもと) (いたさこ)
壹反小 四斗[ ] [ ]古屋敷此内一斗
(御年貢三斗太郎五郎屋敷分被下)
[ ]
貳反 六斗板倉神田 いたさこ
反銭ハ参
参反 九斗 貞元
(貞元)
壹反 三斗反銭 □□
壹反 三斗 いたさこ作人友行
御年貢屋敷被下
小 壹斗 いたさこ作人太郎五郎
大 貳斗 いたさこゑのこ田
(こ在所はゝ)
小 壹斗 いたさ[ ]
壹反 三斗是ハ何也 ひつめ作人助三郎
不審有
(同ひつめよこは屋敷被下)
壹反 三斗十郎右衛門給 [ ]
小 壹斗 同ひつめ作人助三郎
貳反佃 八斗同十郎右衛門下 といのうしろ
大 貳斗 正清之前作人四郎大夫
(次郎右衛門)
大 貳斗 正清之前作人[ ]
壹反小 肆斗 をなわ代作人五郎右衛門
貳反 六斗 小三のを池之しり
[ ]
(作人さいてう)
壹反 三斗いたくら殿神田 同小三のを作人友行
反銭参候
大 壹斗五舛から河殿
御まつり
大 壹斗貳舛 からかわ殿 宮内
天神祭 (杉伊)(此内ニて三輪ノ天神)
壹反小佃 八斗八舛三斗ハ[ ][ ][ ]
五斗八舛ハ納 まつりあり
貳反 六斗 注連引免中の鳥伊
(注)
小 貳斗反銭参 白土うふ水□連引めん
五反 壹石壹斗 ひたか
小 壹斗 いたさこ薬師のめん
大 貳斗 上の小三のお
(蓑生室かち屋敷年貢)
小 八舛三嶋大明神 [ ]
貳反大 六斗 野串川之内反銭
百文あてはかり納
貳反 壹石貳斗 熊丸田同反銭はかり
熊丸納
(き内)
大 壹斗五舛 三のをか[ ]
大 貳斗反銭納 小さんのをの天神めん
半田 五舛 貞元之内もうとよう
(納)
半畠反銭なし 五舛 此年貢□
半 反銭なし 一斗五舛 在所中のとり井下
壹反反銭なし 三斗 宗延立用田
惣都合貳拾六石四斗八舛
現米拾九石六斗八舛
立用之事本庄分より納
三斗 かねちか納
貳斗 宗かね
四斗 国宗
三斗 さね廣
(御調郡)
御給堺原上下村より納分
四斗 貞宗
四斗 貞安
五斗 重友やまさき
六斗 寄貞くゑかいち
三斗 宗久
三斗 家綱
草代之事大豆にて納
壹斗貳舛 行元重宗
壹斗貳舛 国守
六舛 国近
壹斗貳舛 兼友末弘与五郎給所か河
壹斗 さねひろ孫右衛門給所本田
六舛 国安
壹斗 貞安
壹斗 国時
壹斗貳舛此内六舛ハ国宗延とう四郎右衛門給所林
是納
参舛 頼とう
壹斗貳舛 〈時長」貞長〉合
六舛 是兼
堺原上下村桑代之事
貳百五拾文 為国
百拾文 有光
百五拾文 重友
百もん 定宗
四拾もん 法蔵
(「林木」)
三十貳もん □吉
三十八もん 山さき
貳もん 家綱
五拾もん 宗久
五十もん 国友
五十文 頼定
五十文 助正
三十貳文 かいすミ
十六もん 助正かなわにきり
五十もん くゑかいち
三百人 知之僧
一平田分重吉大境之事
中鳥井あたりにしるし有
同味噌郡畝切り
なつ舟
百文 国近
貳百文 国安
貳百文 定安
貳百文 兼友
貳百文 さね廣
百もん 延とう
五十もん是ハから河殿へ参候 頼とう
百もん 国時
百もん 宗里
貳百もん 〈兼近」丸山〉合
貳百もん 〈行元」重宗〉合
百もん 是兼
貳百もん 国守
貳百もん 久守
百もん 成常
百もん 国宗
貳百文 俊とう
百文 正とく
貳百もん 俊宗
貳百もん 〈時永」貞永〉合
貳百文 〈宗延」室かいち〉合
一光弘重吉境之事ほりきり
冬舟
百文 国近
貳百文 貞安
貳百文 国安
貳百文 〈兼友」末弘〉合
百文 延とう
五十文 頼とう
貳百文 〈国時」宗里〉合
貳百文 〈兼近」丸山〉合
貳百文 〈行元」重宗〉合
百文 是兼
貳百文 国もり
貳百文 久守
百文 長常
百文 国守
貳百文 俊とう
百五拾文 正徳
百もん 〈貞宗」時長〉合
貳百文 〈宗延」室かいち〉合
貳百文 俊宗
一光弘之内助さね是もほりきり
分
畠方之事
壹斗五舛 国安
六舛 国近
壹斗 久光
六舛 俊とう
壹斗 さねとし
一岩方重吉堺の事 三つ石有
(加 徴)
水寒領 かちやうニて納
米壹舛 大豆壹舛 米丸より納
米壹舛 大豆壹舛 六郎丸より納
米壹舛 大豆壹舛 徳まん
米壹舛 大豆壹舛 末弘
米壹舛 大豆壹舛 延遠
米壹舛 大豆壹舛 国安
米貳舛 大豆貳舛 太郎丸
一重吉久森内 安藤山谷切り
堺原上下村の水寒領加帳ニ而納
一助さね境ほこのうね一間をいてきり
米貳斗 納
畠之事
貳反 三斗 平田むかい
壹反 壹斗 閑畠
壹反 壹斗 よこは
大 八舛 よこは
小 五舛 はゝ
一反 一斗 願城寺下
一反 一斗 下かわら
一反 一斗 乙丸畠
栗之年貢之事
一反 一斗 猿林
一反 六舛 宮内
一反 五舛 中の鳥井
参舛 為房是ハ正月菓子
之ために納
正月立すミ之事
一荷 〈行元」重宗〉合
一荷 国宗
一荷 是兼
一荷 延遠
一荷 国安
一荷 末弘
一荷 国時
一荷 国宗
一荷 国近是ハ四年ニ一度まん所へ納
已上俵数十八俵
五年一度めしのあんこ
五貫文 平田取次
五百文 取次之ないとく是ハ貫之外也
五
一八幡別宮之内本庄村草山之立所之事
一所 小蓑生
一所 三戸坂
一所 貞元
一所 落石
御宮江平田ゟ参供物之事
百文 正月三ヶ日燈明参
米四斗三舛 正月二日の御供米参
米貳舛 十月八日の人足五人御宮へかんにん
米壹舛 十一月初卯ニ御宮へ参人足かんにん
一其外之事伊香与五郎又神主
神主殿江立物岩見殿申渡候、
正月一日 もちい数十貳まい代十二文
三月三日 草もち数十貳まい代十二文
五月五日 ちまき五十代十二文
已上
(1526) (渋川義陸)
大永六〈丙戌〉年平田分惣境迄之證文、浄栄様御書うつしおかせられ候を
(1542)
天文十一年〈壬刁〉年十一月廿八日に伊香筑後守かきうつし置候、
為後日如件、
◯欠損部分ハ同宮所蔵ノ写ニヨツテ補フ