八 小早川持平書状 ○東大影写本ニヨル
就二入部之事一態御僧上給候、恐悦之至候、殊預二御礼物一候、祝着仕候千萬候、
炎天之時分暮々御音信畏入候、寺家之事毎事不レ可レ有二疎略一候、巨細ハ御僧
申入候也、恐々謹言、
六月廿一日 持平(花押)
侍者御中
「書き下し文」
入部の事に就き態と御僧上り給ひ候ふ、恐悦の至りに候ふ、殊に御礼物を預かり候ふ、祝着仕り候ふこと千万に候ふ、炎天の時分とくれこくれ御音信畏れ入り候ふ、寺家の事毎事疎略有るべからず候ふ、巨細は御僧申し入れ候ふなり、恐々謹言、
「解釈」
入部の件について、わざわざ御僧(仏通寺の僧侶がこちらに)がお上りになりました。この上ない喜びです。とくにお礼物を受け取りました。きわめて嬉しく存じます。炎天の時分、とにもかくにもお便りをありがたく存じます。仏通寺のことは、すべてのことにおいて疎かに扱ってはなりません。詳細は御僧があなた様に申し入れるのであります。以上、謹んで申し上げます。