五 後小松天皇綸旨写 ○東大影写本ニヨル
(周及)
依レ為二芸州豊田郡仏通寺者愚中之本寺一、相二並南禅第一上刹一、永代可レ著二
紫衣法服一之旨、武家之奏状被二聞食一訖、宜レ奉レ祈二宝祚延長一、者依二
天気一執達如レ件、
(1409)
応永十六年 (海住山清房)
三月二十八日 左少弁〈在判〉
仏通寺
僧衆中
「書き下し文」
芸州豊田郡仏通寺は愚中の本寺たるにより、南禅第一の上刹に相並び、永代紫衣法服を著すべきの旨、武家の奏状を聞こし食され訖んぬ、宜しく宝祚延長を祈り奉るべし、てへれば天気により執達件のごとし、
「解釈」
安芸国豊田郡仏通寺は愚中周及の本寺であるから、五山第一位の南禅寺と並び、永久に紫衣の法服を着るべきである、という内容の武家の奏状をお聞き入れになった。必ず皇位が長く続くように祈り申し上げよ。というわけで、以上が帝のご意向である。