二七 南湘院圓知書状(折紙)
以上
能美源兵衛殿預り之船、造作等可レ仕之由申候間、被二見合談合一候て、可レ被二相
(佐世)
調一候、又彼手前之儀、此度不二相済一候、元嘉気分少快気被レ申候ハ丶、申聞調
可レ遣候、恐々謹言、
南湘
十月九日 圓知(花押)
松田善進殿 まいる
「書き下し文」
以上
能美源兵衛殿預りの船、造作等仕るべきの由申し候ふ間、見合・談合せられ候ひて、
相調へらるべく候ふ、又彼の手前の儀、此の度相済まず候ふ、元嘉の気分少し快気申
され候はば、申し聞き調へ遣はすべく候ふ、恐々謹言、
「解釈」
能美源兵衛景重殿が、預かっている船の修造等を致すべきことを申しましたので、その船を見て相談なさって、互いに調整なさるべきです。また、あちら能美氏の支配については、今回は決着がつきませんでした。佐世元嘉の気分が少し改善しましたなら、状況を聞き調整し書状を遣わすはずです。以上、謹んで申し上げます。
「注釈」
「能美源兵衛」─十代景重。
「南湘院圓知」─未詳。
「松田善進」─未詳。
*関連文書がないため、解釈がよくわかりません。