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周梨槃特のブログ

史料紹介という修行

山野井文書11

   一一 大内氏奉行人連署奉書(切紙)

 

          越智郡                    (冷泉)

 去月十五日、於豫州中途表動之時、郎従澁屋小次郎被矢疵右肱之由、隆豊注

 進到来遂披露畢、尤神妙之由、所 仰出也、仍執達如件、

 

    (1546)           (青景隆著)

    天文十五年九月十三日      右京進(花押)

                  (杉宗長)

                    沙 弥(花押)

                  陶隆房

                    尾張守(花押)

         (仲次ヵ)

        能美四郎殿

 

 「書き下し文」

 去月十五日豫州中途表に於いて動くの時、郎従渋屋小次郎矢疵「右肱」を被るの由、

 隆豊の注進到来し披露を遂げ畢んぬ、尤も神妙の由、仰せ出ださるる所なり、仍って

 執達件のごとし、

 

 「解釈」

 去る八月十五日伊予国越智郡中途島沖で河野軍と戦ったとき、能美氏の被官渋屋小次郎が矢傷を右肘に受けたという、冷泉隆豊の注進が到来し、大内義隆様に披露した。いかにも感心なことである、と義隆様は仰せであった。そこで、以上の内容を下達する。

 

 「注釈」

豫州中途表」─愛媛県今治市吉海町椋名の中渡島。能島村上氏の有力な海賊城。この

        史料は『愛媛県の地名』(「中渡城跡」)で引用されています。

「渋屋小十郎」─能美仲次の被官か。

「冷泉隆豊」─大内氏の重臣で、安芸国佐東銀山城の城番。