三 梨子羽郷預所下文写
コヽニカキハンアリ
町殿ノ御下文
下 梨子羽郷内弁海名主職事
源信賢
右以二彼人一、所三補二任名主職一也、有レ限年貢所当公事等、任二先例一可レ致二
其沙汰一、郷家宜承知敢以勿二違失一、故以下、
(1333)
正慶貳年後二月十二日
「書き下し文」
此処に書判有り
下す 梨子羽郷内弁海名主職の事
源信賢
右彼の人を以て、名主職に補任する所なり、限り有る年貢・所当公事等、先例に任せ其の沙汰致すべし、郷家宜しく承知し敢へて以て違失すること勿かれ、ことさらに以て下す、
「解釈」
源信賢に下達する、梨子羽郷内弁海名名主職のこと。
右、この源信賢を名主職に任命するところである。重要な年貢や公事などを、先例のとおりに納めなければならない。梨子羽郷の住人らは必ずこの命令を承知し、けっして背いてはならない。格別に下達する。
「注釈」
「町殿」
─未詳。町家は資藤のときに柳原家から分家するので、柳原の一党で、資藤の祖父柳原資明世代の誰かを指すのかもしれません。