周梨槃特のブログ

いつまで経っても修行中

とある解答例

 二〇一三年 東大・前期解答

 

 第1問 「ランボーの詩の翻訳について」(40点)

問1 内容説明問題(6点)

 文学作品が言表しようとする内容は、②」その表現方法や形態と一体化して伝わるものであるため、②」内容面だけを取り出すことはできないから。②」(63字)

 

問2 理由説明問題(6点)

 原文の独特な語り口が伝えるものを無視するあまり、②」翻訳者による日本語表現に特徴づけられた②」別の作品になってしまうこと。(57字)

 

問3 内容説明問題(6点)

 原文の表現形態を注意深く読み解いて①」母語の文脈に取り込むと同時に、①」言語と母語とで食い違う語り口を②」調和させようと努めること。②」(60字)

 

問4 理由説明問題(6点)

 母語とは異なる原文の表現形態をできるだけ取り込んで翻訳することで、②」母語の規範を踏み越える言葉づかいを生み出す②」可能性があるから。②」(63字)

 

問5 内容・全体説明問題(11点)

 原文の独自性を尊重するために、①」原語と母語の表現形態の食い違いをたえず調和させながら、②」両者を架橋する新たな言葉を創造しようとする翻訳という営みは、③」自らとは異なる様々な言語や文化の個性を理解して、②」相互に認め合っていく態度に結びついているから。③」(119字)

 

 *「異文化の相互容認」に対応させて、「翻訳という営み」自体の説明を拾い

  上げる。

 

問6 漢字問題(5点)

 ⒜ 首尾  ⒝ 逐語  ⒞ 摩擦  ⒟ 促  ⒠ 示唆

 

 

 第2問 『吾妻鏡

 

問1 現代語訳問題(*文理共通 3点×3)

 ア 身分の高い人も低い人も②」皆①」

 エ 闇夜に①」夜通し降る雨②」

 オ あなた様のお命が①」ご無事でいらっしゃるだろかということ②」

   (頼朝様)     (「どうだろうか」はマイナス1点)

 

問2 理由説明問題(*文系のみ 5点)

 静が①」鎌倉幕府の繁栄を祝う場で、②」謀反人①」義経を慕う歌を詠んだから。①」

 (別解)静が鎌倉幕府の繁栄ではなく反逆者義経への愛を面前で吟じたから。

 

問3 内容説明問題(*文理共通 5点)

 娘の政子が、①」流罪となった①」頼朝との①」逢瀬を重ねること。②」

 

問4 内容説明問題(*文系のみ 5点)

 愛する男が権力者と敵対関係になっても、②」変わらず慕い続ける心のさま。③」

 

問5 内容説明問題(*文理共通 6点)

 反逆者義経を慕う静と、②」罪人頼朝を愛したかつての政子の思いが②」重なるところ。②」

 

 第3問 『三国史記

 

問1 現代語訳問題(*文系6点/理系5点)

 身分の低い男でさえ①」前言を違えよう(嘘をつこう)とはしません、②」まして身分の高い国王なら、①」なおさら前言を違えなどしないものです。②/①」

 

問2 内容説明問題(*文理共通 5点)

 公主が①」温逹に嫁ぎたいのなら、②」勝手に嫁げばよいということ。②」

 

問3 内容説明問題(*文理共通 5点)

 公主が、①」温逹と結婚したいという②」自分の思いを①」温逹に話したということ。①」

 

問4 現代語訳問題(*文系のみ 7点)

 私の息子は①」非常に身分が低いので、②」あなた様のような①」高貴なお方の結婚相手として②」釣り合いません。①」

 

問5 内容説明問題(*文系7点/理系5点)

 二人がともに結婚したいと思っているので②/①」あれば、①」貧富や身分の差などは②」問題にならないということ。②/①」

 

 

  二〇一三年 京大文系前期

 

第1問

 問1 ア 変哲  イ 代償  ウ 粗野  エ 報酬  オ 迷妄

 (1点×5)

 

 問2 内容説明問題(10点)

「麦刈り」の絵で、①」自然の荒々しい生命力に取り組み、③」豊かな恩寵に充足しきっている農民の様子は、③」勤労動員で自然と関わる肉体労働をし、①」生命の充実感を得た自分たちの姿と同じであった、ということ。②」(93字)

 

 問3 理由説明問題(12点)

駐車場の車の入替えをする男の運転技術は人並み外れたものであるが、②」その作業は収入を得るための労働にとどまる無意味なものであり、②」肉体の労苦を通して②」生命の充実を感じ、②」自然の中で充足しきった、②」人間の生に関わる真の労働とは感じられなかったから。②」(117字)

 

 問4 理由説明問題(10点)

ブリューゲルの絵を見ていると、①」芸術は現実のありのままを正しく描くもので、②」作品に描かれたものの真実性にこそ価値があるように感じられ、②」筆者自身が志向してきた、②」抽象的な精神と言語の世界の自律的価値など、まったく認めていないかのように思われたから。③」(120字)

 

 問5 内容説明問題(13点)

ブリューゲルが現実の自然や個々の人間を通して見極め、③」彼のなかで表現を求めてひしめいている生の実相を、②」その天才的な形象把握能力によって形象化・様式化し、②」自身の思想によって①」統一された普遍的なものとして、②」絵画のなかに再創造することは、ブリューゲル自身の生の充実感にもなるという関係。①」(139字)

 

 

 

 

 

 

第2問

 問1 心情説明問題(10点)

現在の気軽で身軽な旅行とは異なり、②」昔の旅には家を出るまでの高ぶり、②」旅先への期待や留守宅への気がかり、②」帰るときには名残惜しさや安堵感などが混在し、②」心が揺れ動いて落ち着かない、ということ。②」(92字)

 

 

 問2 心情説明問題(10点)

旅の感傷に浸りつつも、②」言葉にならない①」家への懐かしさに興奮しながら帰ってきたが、①」出かける前と変わらない家の様子に、②」日常へすんなりと戻ることのできない居心地の悪さと、②」旅帰りの迎え方に気が遣われていないことを感じている、ということ。②」(113字)

 

 問3 理由説明問(10点)

以前に、旅帰りの者の迎え方がなってないと苦言を呈した自分に対して、②」旅をしたことがないからわからないと反論した娘が、②」実際に旅帰りの居心地の悪さに困惑している様子を見て、②」迎え方が大切であるという②」自分の思いが通じたと思い、満足したから。②」(115字)

 

 問4 理由説明問題(10点)

旅帰りの父の迎え方として、掃除や整頓だけでなく、②」普段から使い慣れている座布団を洗濯してこしらえ直しておくことや、②」煎じたての番茶を出すことを思いつき、②」宿とは異なった特別なもてなし方が、②」普段の生活のなかでもできると思えたから。②」(111字)

 

 問5 心情説明問題(10点)

座蒲団と番茶に気を遣うという、筆者なりの旅帰りの父の迎え方を、②」父は口には出さないが評価してくれているはずだと思っていたが、②」その気遣いは当然するべきことで、取り立てて口にするほどのことではないとけなされ、②」自分が至らないことは重々承知しているが、②」少しは褒めてほしいとも思っている。②」(138字)

 

 

 

 

第3問

 問1 現代語訳問題(7点)

 匂宮は①」愛おしくお思いになる妻を①」お持ちになっているので①」婚儀に来ないのだろうと思うと、②」右大臣は①」不愉快であるけれど、①」

 

 問2 現代語訳問題

(2)何とかして①」思いを表情に出すまいと①」何度も我慢しては、②」さりげなく気持ちを静めなさることなので③」(7点)

 

(3)じきに、すぐ急いで帰って参りましょう。②」一人で月をご覧になってはなりません。①」私は②」心が上の空であるので、たいそうつらいです。②」(7点)

 

 問3 心情説明問題(14点)

 Aはかわいらしい①」中の君を残して、②」婚儀に出向く気になれず、②」中の君を気の毒に思う気持ちであり、②」Bは婚儀の日に匂宮がなかなか現れないことを心配して②」頭中将を迎えによこした②」右大臣(家)を気の毒に思う気持ち。③」

 

 問4 心情説明問題(15点)

 匂宮が右大臣の娘と結婚することについては②」あれこれと恨んだり妬んだりはしないが、②」匂宮が婚儀に出かける後ろ姿を見ると、②」涙があふれ出るほど悲しいので、③」思うようにならず嘆かわしいものは、人の心であったと、②」自分の心の弱さを②」身にしみて実感している。②」

 

 

  京大理系前期

 

第2問

 問1 内容説明問題(10点)

既存の言葉では自分の感じとった物事が正確に表現できない場合に、②」それを言語化するための方便として、②」既成の言語規則に照らせば不適切であることを承知のうえで、③」あえて代替の言葉を用いて表現すること。③」(95字)

 

 問2 内容説明問題(10点)

主観的な経験を言い表すために②」あえて規制の言語規則を逸脱する見立てを用いざるを得ないという事実は、④」既成の言語規則では十全に表現できないものが存在することを示しているということ。④」(87字)

 

 問3 内容説明問題(10点)

物の客観的特徴をもとにした既成の博物学的な分類の基準では表現できず、②」別の分類基準を新たに生み出し、②」見立てを用いることによってしか表現できないような、③」主観的な経験として印象されるもの。③」(91字)

 

 

第3問

 問1 現代語訳(8点)

同じ人の学説が、こちらとあちらとで食い違っていて同じでないのは、③」どちらに従うのがよいのかと戸惑わせられて、②」およそその人の学説が、すべてあてにならないような気持ちがしてしまうことは③」

 

 問2 理由説明問題(12点)

同じ人の学説でも後になって最初に決めた説よりよい考えが出てくることは常にあることであり、④」その人の学問が進めば学説が変わっていくのは当然である。④」また、最初の説の誤りを自ら改めるのは潔くてよいことでもあるから。④」(103字)

 

 問3 内容説明問題(10点)

同じ人の学説が前後で異なる場合は、後の方をその人の定説とするのがよいが、②」最初の説が正しい場合もあるので、③」どちらを選ぶかはそれを見る人が判断するべきだということ。⑤」(80字)

 

 

  二〇一三年 大阪大・前期(文以外)

 

 第1問 蓼沼宏一『幸せのための経済学』  /50点

問1 内容説明問題  /4点

 イ

 

問2 書き抜き問題  /6点

 (その)個人の形成してきた習慣や、置かれている社会的環境

 

問3 理由説明問題  /24点

 個人の幸福や欲望充足の度合は、③」その個人を形成してきた習慣や、③」置かれている社会的環境などの影響を受ける③」主観的感覚であるのに、③」功利主義はこの度合を境遇の良しあし(or福祉の達成度)を測る客観的な基準とみなし、⑥」異なる個人間で比較することに意味があると考えているから。⑥」

 

①なぜ物理的条件(習慣や社会的環境)が無視されるのか? それは、物理的条件を無視しても、境遇の客観的な評価はできると考えているから。

 傍線部の直前の一文で筆者は、「このように、効用の水準は習慣や社会的環境などに影響を受けるため、その個人の置かれている客観的な状況を評価する基準としては適切ではないのです」と批判をしている。にもかかわらず、功利主義は「物理的条件」(=習慣や社会的環境の影響)を無視しているのだから、物理的条件を無視しても、「客観的な状況(その人の置かれている境遇)の良し悪しを評価できる」と思っていることになる。このニュアンスと同じような表現を探すと、3段落目の1行目や4段落目の2行目に気づける。

②あなたの答案の「欲望の度合」は「欲望充足の度合」にしなければなりません。「充足」しなければ幸福の尺度になりません。2点減点。

③「主観的な考え」ではなく「主観的感覚」です。両者は同じものではありません。引用するときには正確に書きましょう。3点減点。

功利主義が「幸福や欲望充足の度合」を「福祉の基準」にしているという要素がないので、6点減点。

⑤ちなみに、赤本の解答例の「各個人それぞれの習慣や社会的環境などを比較しながらその度合を評価するべきであるのに」というポイントは、本文から読み取ろうと思えば読み取れるが、明確な記述がない。また、他に理由説明として書くべきポイントもあったのに、それが抜けていた。よって、不完全な答案と評価できる。

 なお、解答要素については以下の通り。内容説明であろうが、理由説明であろうが、探すポイントは変わらない。ただ、書くべき要素の優先順位や分量が変わるだけ。

 

【内容説明問題】 (A)言い換え・補足 (B)理由・背景   (C)対比

【理由説明問題】 (A)理由・背景   (B)言い換え・補足 (C)対比

 

 改めて、解答例と解答要素の対応を確認してみると、(A)・(B)・(C)の3要素で構成されているのがわかるのではないでしょうか。

 

 「言い換え+対比」

 個人の幸福や欲望充足の度合は、その個人を形成してきた習慣や、置かれている社会的環境などの影響を受ける主観的感覚であるのに、

 「理由」

 功利主義はこの度合を境遇の良しあしを測る客観的な基準とみなし、異なる個人間で比較することに意味があると考えているから。

 

問4 内容説明問題  /16点

 贅沢な食事に慣れているAさんと③」質素な食事を強いられているBさん、③」それぞれの食事に対する満足度ではなく、⑤」二人の境遇を比較してどちらが恵まれているかを判定すること。⑤」(80字)

 

①最終段落の車とスクーターの比較を、第五段落の食事の例に置き換えて説明するだけの問題。裕福なアメリカ人の主観的な欲求充足(車一台)と、最貧国の人の主観的な欲求充足(スクーター一台)を比較するのではなく、両者の状態(境遇)を比較して、どちらが恵まれているかを評価することが、傍線部(B)自体の言い換え説明になる。あとは、アメリカ人が「贅沢な食事をするAさん」、最貧国の人が「質素な食事をするBさん」に置き換えて説明すればよい。

②あなたの答案の「主観的な考え」ですが、問3の③でも指摘したように、「主観的感覚」と表記しましょう。2点減点。

③設問自体にも書いているように、「食事の事例に基づ」かなければならないので、「質素な生活」「贅沢な生活」ではなく、「質素な食事」「贅沢な食事」と書きましょう。2点減点。

 

 

 第2問 マリオ・リヴィオ『神は数学者か? 万能な数学について』  /50点

問1 漢字問題  /10点(2点×5)

 (1)厳密 (2)衝撃的 (3)漂 (4)精通 (5)実績

 

問2 空欄補充問題  /2点

 うれしさ

 

問3 空欄補充問題  /4点

 すべての人間は死す(9字)

 

問4 空欄補充問題  /6点

 複雑な自然現象を観測して③」単純明快な数学的法則を導き出したりすることができる③」(37字)

 

*私には、以下の解答を作るのが限界でした…。

「複雑な現象を分析し、物理学の知見に基づいて単純明快に説明してみせたりする(36字)」

 

 通常、「〜たり」を使用した文章を書く場合、前文とは内容の異なる内容を書くものなので、前後の文から「自然」「数学」を解答要素とするべきという赤本の解説は、原文を知っているからこそ言える説明にすぎない。

 

問5 内容説明問題  /28点

 数学は人間から独立しており、③」人間は数学的な真理を発見するだけだと考えると、③」抽象的な数学がなぜ物理的実在と関係しているのか、③」また有限な人間の脳が永久不変の数学的真理とどう結びつくのか③」合理的に説明できない。」あるいは数学は人間の発明だと考えても、③」人間の発明した数学的真理が宇宙や人間に関する事柄をなぜ予知できるのか、合理的に説明できない。④」にもかかわらず、数学は自然や人間社会の事象を③」単純明快な法則として(〜明快に)説明できる、ということ。③」(209字)

 

①まずは、関連資料の5〜7行目を参考にして、傍線部自体の言い換えると、「数学には理屈では説明できない効用がある」となる。あとは、何が理屈では説明できないのか、どのようなところに有効性があるのかを説明すればよい。

②関連資料の4・5行目に「一方、数学が人間の発明にすぎず〜」とあるので、これ以降が「発明の不条理な有効性」であるから、ここ以前が「発見の不条理な有効性」の説明になる。あとは、制限字数内でまとめるだけ。

③あなたの答案には、「理屈では説明できない」「合理的に説明できない」というポイントがないので3点減点。

④あなたの答案の「なのに」という接続詞は、本来存在しない言葉です。正しくは、「それなのに」です。「しかし・だが・けれども」などに改めましょう。1点減点。ついでに言えば、「なので」という接続詞も存在しません。「だから・したがって・そこで」などと書かなければなりません・

⑤あなたの答案の最終文「数学は自然を〜」と書いていますが、「自然や人間に関わる事柄」と説明しておいた方がよいでしょう。1点減点。言い換え自体はよいです。

 

 

  二〇一三年 神戸大・前期

 

第1問 『死の所有』(80点)

 問1 漢字問題(2点×5=10点)

  ⒜観念 ⒝獲得 ⒞果断 ⒟犯罪 ⒠仮託

 

 問2 内容説明問題(14点)

当事者の存在の消失としての死が、④」故人と親しく関わった者に死者の新たな実在性を感じさせ、⑤」それまでとは異なった態度や認識を生じさせる契機となりうる、ということ。⑤」(78字) *「契機」はなくてもよい。

 

 問3 内容説明問題(14点)

観察者的に知覚する「三人称」の死と異なり、④」「二人称」の死とは、死者となった身近な相手への語りかけを通して顕現する、⑤」自己と死者を同一次元において認識する死である。⑤」(80字)

 

 問4 内容説明問題(14点)

死者への語りかけは、②」仮想的な自己の死を前提に、③」死者に寄り添い同じ次元に立つ行為であるとともに、③」死者の物的な遺物に依拠した③」客観的な死の認識でもある、ということ。③」(79字)

 

 問5 内容・全体説明問題(28点)

他者の死を経験することは、②」ある者の存在が消滅することによって、④」身近な者が不在にまつわる②」新たなリアリティを感得することであると同時に、④」故人への語りかけを通してその死者に寄り添う④」自己の仮想的な死の経験でもあるというように、④」生者と死者との分かち難い端境として、④」複雑で捉えにくい固有の現象として形成されている、ということ。④」(157字)

 

第2問 『平家物語』(40点)

 問1 現代語訳問題(4点×3)

  ① 面会するのに、①」お一人ぐらいはなんの問題がありましょうか、②」いやなんの問題もありません。①」

  ② お前に恋文を持って行かせて①」言い寄った女房は、②」まだ宮中にいると聞くか。①」

  ③ この女房も①」三位の中将のことを思って①」いらっしゃったのだなあと①」気の毒に思われて、①」

 

 問2 内容説明問題(1点×2)

守護の武士ども(が)三位中将の手紙(を)

 

 問3 文法問題(1点×2)

  ⒝受身の助動詞の連体形  ⒞尊敬の助動詞の連体形

 

 問4 心情説明問題(9点)

三位中将の、①」西国へ都落ちするときに、①」手紙も送らず、言葉さえかけなかった(何も言い残すことさえしなかった)ことを、②」今まで交わした深い愛情も②」すべて嘘であったと女房は思っているだろうと、①」きまり悪く思う気持ち。②」

 

 問5 現代語訳問題(9点)

なるほど、①」三位中将が言ったように、①」彼自身の意志ではなく、①」家来が奈良の寺々を焼き払ったために、②」三位中将が罪を一身に背負って生け捕りにされ、②」大路を引き回されるのだと思われる。②」

 

 問6 心情説明問題(6点)

罪人というつらい身の上を嘆き悲しみ、②」涙を流す我が身であるが、②」死ぬ前にもう一度女房に逢いたい気持ち。②」(49字)

 

 

第3問 『貞観政要』(30点)

 問1 指示語問題(3点)

斉の景公の①」馬を飼育している役人。②」

 

 問2 書き下し問題(4点)

こうをして①」うまをもって①」ひとをころさしむ②」

 

 問3 現代語訳問題(4点)

・どうしてこの話をお忘れになりましょうか、②」いやお忘れになっているはずはありません。②」

 

  (別解)

よもや①」この話をお忘れではありますまい。③」

 

 問4 内容説明問題(15点)

馬を死なせた飼育係の罪を責める形をとりながら、③」景公が馬のことで人を殺したり、②」人民の恨みを買ったり、②」その話によって諸侯に蔑まれたりすることになると②」忠告することで、③」景公の考えを改めさせようとする目的。③」(98字)

 

 問5 現代語訳問題(4点)

馬を死なせた宮人に対する太宗の怒りは②」やっとおさまった。②」

 

  (別解)

太宗の飼育係に対する怒りの気持ちは②」それで鎮まった。②」