四 毛利氏奉行人連署請取状
請取銀子之事
社領辻 壹石九斗七升打渡無レ之、
右之銀合 貳分壹リン七毛
内貳輪 筆功
右之前爲二御礼一請取所如レ件、
(文禄) (元武)
文五 三月十二日 國司備後守(花押)
(周澄)
少 林 寺(花押)
(元宗)
山田吉兵衛(花押)
飯室祝師
神右衛門尉殿
「書き下し文」
請け取る銀子のこと、
社領の辻 一石九斗七升、打渡之無し、
右の銀合わせて 二分一厘七毛、
内二厘 筆功、
右の前御礼として請け取る所件のごとし、
(1596)
文五 三月十二日 國司備後守(花押)
(以下略)
「解釈」
受け取った銀子のこと。
社領の合計は、一石九斗七升。まだ引き渡しはない。
右の銀。合計二分一厘七毛。そのうち二厘は筆功である。
右の銀子は、お礼として請け取るものである。
「注釈」
「筆功」─習字に熟達すること。また、その人。「筆耕」のことであれば、写字によっ
て報酬を受けること。また、その人(いずれも『日本国語大辞典』)。どち
らにせよ、どのような「功」なのか、よくわかりません。社領に関する権利
文書を書いてもらった礼銭のようなものかもしれません。
「打渡」─引き渡すことか(『日本国語大辞典』)。