八 小早川興平充行状
(正法院)
当院之事、被三立二置惟三位牌一之條、聊不レ可レ存二等閑一候、依レ之本郷田中
給内田参段、依レ有二由緒一還二付之一、備後国杭荘社家方之内長楽寺等、為二
毎日霊供料一、令二新寄進一者也、永代無二懈怠一可レ被二勤備一之状如レ件、
(1521)
大永元年十一月廿七日 平興平(花押)
正法院
「書き下し文」
当院の事、惟の三位牌を立て置かるるの條、聊かも等閑に存ずべからず候ふ、之により本郷田中給の内田三段、由緒有るにより之を還付す、備後国杭荘社家方の内長楽寺等を、毎日霊供料として、新たに寄進せしむる者なり、永代懈怠無く勤め備へらるべきの状件のごとし、
「解釈」
正法院のこと。私どもの三つの位牌を立て置きなさっていることについて、少しもいい加減に思ってはなりません。この位牌供養のために、本郷田中給田のうち三段を、根拠があるのでそちらに返還する。備後国杭庄社家方所領のうち長楽寺などを、毎日霊供料として新たに寄進するものである。永久に怠けることなく、勤行なさらなければならない。充行状は以上のとおりである。
「注釈」
「長楽寺」─未詳。