周梨槃特のブログ

いつまで経っても修行中

楢崎文書8・9

    八 毛利輝元書状(折紙)

 

 (三澤)                   (大庭賢兼)

 為虎へ此者可遣候趣、可被仰聞候、我等書状も大加ニ御認させ候へく候、

 恐々謹言、

                   右馬

       五月廿日         輝元(花押)

 

 「書き下し文」

 為虎へ此の者を遣はすべく候ふ趣、仰せ聞けらるべく候へ、我ら書状も大加に御認めさせ候ふべく候へ、恐々謹言、

 

 「解釈」

 三澤為虎へこの者を遣わすつもりでありますことを、言って聞かせなさってください。私どもの書状も大庭賢兼に命じて書かせてください。以上、謹んで申し上げます。

 

 

 

    九 穂田元清書状

 

 今一侘言可申上覚悟候、不及申候へ共偏奉頼候之状、被加御意相調候様ニ、

 御取成可忝候、於趣者先日申上候条、委敷不能申上候、恐惶謹言、

       七月二日         元清(花押)

               (別筆)

               「 一斗 (三ヵ)

                 五舛与□左

                 三斗一舛  」

   (切封ウハ書)

    「              四郎 」

 

 「書き下し文」

 今一つ侘言申し上ぐべき覚悟に候ふ、申すに及ばず候へども偏に頼り奉り候ふの状、御意を加へられ相調へ候ふ様に、御取り成し忝かるべく候ふ、趣に於いては先日申し上げ候ふ条、委しく申し上ぐる能はず候ふ、恐惶謹言、

 

 「解釈」

 もう一つ窮状を申し上げる心構えです。申すには及ばないことですが、ひたすら頼り申し上げておりますことにご配慮なさり、調整するようにお取り成しをしてくだされば、ありがたいことです。その内容においては先日申し上げましたので、詳しく申し上げるまでもございません。以上、謹んで申し上げます。