一二 口羽通良書状
(去八日ヵ) (廣高) (安芸高田郡)
□□□御書今朝到来、致拜見候、如御意就三吉殿御出、吉田へ頓被成御出、
(貞俊) (茂)
以御取成如形時宜可然候而目出度候、福原ニ茂一入之御家顔にて候つる、私□罷出
取持立仕候、何篇可然候て御帰候、
(大坂)
一□□へ重而之御兵粮被差遣度之由、尤無御余儀候、吉田ヨリ千俵御遣候へかし
(惣) (外ヵ)
と存知候、是ハ殊外軽御事にて候、□別大坂御抱之事者、□ニ無其隠事候間、
先御当家之
(口羽)
(井上春忠) 下野守
井 又右衛門尉 通良
「書き下し文」
去んぬる八日御書今朝到来し、拜見致し候ふ、御意のごとく三吉殿御出に就き、吉田へ頓に御出に成らる、御取り成しを以て形のごとく時宜然かるべく候ひて目出度く候ふ、福原にも一入の御家顔にて候ひつる、私も罷り出で取り持ち立ち仕り候ふ、何篇も然るべく候ひて御帰り候ふ、
一つ、大坂へ重ねての御兵粮差し遣はされたきの由、尤も御余儀無く候ふ、吉田より千俵御遣はし候へかしと存知候ふ、是は殊の外軽き御事にて候ふ、惣別大坂御抱への事は、外に其の隠無き事候ふ間、先づ御当家の
「解釈」
去る八日の御書が今朝到来し、拜見いたしました。ご命令のように三吉広高殿のお出でになったが、吉田へ突如お越しになった。お取り成しによって、形式どおりちょうどよい時期になりまして、満足しております。福原貞俊にもいっそうのおもてなしをしました。私も出向いて、あいだを取り持ち立ち回りました。あれこれと適切な振る舞いを受けて、お帰りになりました。
一つ、大坂へ重ねてご兵粮を送り届けていただきたいとのこと、本当にやむをえないことです。吉田から千俵をお遣わしになってくださいよ、と存じております。これは思いの外、たいしたことではございません。およそ大坂がお抱えになっていることは、他にその隠れないことですので、まず御当家の
*解釈はよくわかりませんでした。