「仏通寺住持記」 その５４
（一五九八）
三 戊戌 両足派
含暉院 安宗和尚 〈侍真」地徳院〉恵環 納所 慶全
（ママ）
向上納所 奝運 観白 慶闐 紀綱 令順
十月廿二日於当山為泰雲閑公、従簾中千部有之
四 己亥 大慈派
大椿俊禅師 侍真 周噋 納所 全智
亥八月十一日 向上 全鶴 維那 祖伝
瑞雲慶祝寂
五 庚子 慈雲派 請待
仁仲宗芳禅師 〈侍真」正覚派〉令順 〈納所」肯派〉祖頓
維那 林甫
六 辛丑 祥雲派
悦堂祥淳禅師 〈侍真」慈雲派〉周賢 納所 全瑞
維那 徳岩
七 壬寅 長松派 （ママ）
暉雲周噋禅師 〈侍真」肯派〉祥淳 納所
〈維那」桂昌庵主〉永泉
「書き下し文」
三戊戌、両足派、
含暉院安宗和尚、侍真地徳院恵環、納所慶全、向上納所奝運、観白慶闐、紀綱令順、
十月二十二日当山に於いて泰雲閑公と為る、簾中より千部有り、
四己亥、大慈派、
大椿俊禅師、侍真周噋、納所全智、
亥八月十一日瑞雲慶祝寂、
向上全鶴、維那祖伝、
五庚子、慈雲派請待、
仁仲宗芳禅師、侍真正覚派令順、納所肯派祖頓、維那林甫、
六辛丑、祥雲派、
悦堂祥淳禅師、侍真慈雲派周賢、納所全瑞、維那徳岩、
七壬寅、長松派、
暉雲周噋禅師、侍真肯派祥淳、納所（ママ・記載なし）、
維那桂昌庵主永泉、
「解釈」
慶長三年戊戌（１５９８）、両足派が番衆を勤める。
含暉院の安宗和尚が住持を勤める。侍真地徳院恵環、納所慶全、向上納所奝運、観白慶闐、紀綱令順、
十月二十二日当山で小早川隆景公の法名を泰雲閑公（泰雲紹閑）と決めた。隆景夫人の依頼で千部会を営んだ。
四年己亥、大慈派が番衆を勤める。
大椿俊禅師が住持を勤める。侍真は周噋。納所は全智。
今年八月十一日に瑞雲慶祝が亡くなった。
向上寺住持は全鶴が勤める。維那は祖伝。
五年庚子、慈雲派が番衆を勤める。わざわざこちらから招いた。
仁仲宗芳禅師が住持を勤める。侍真は正覚派の令順。納所は肯心派の祖頓。維那は林甫。
六年辛丑、祥雲派が番衆を勤める。
悦堂祥淳禅師が住持を勤める。侍真は慈雲派の周賢。納所は全瑞。維那は徳岩。
七年壬寅、長松派が番衆を勤める。
暉雲周噋禅師が住持を勤める。侍真は肯心派の祥淳。納所（僧名の記載なし）。維那は桂昌庵の主永泉。
「注釈」
「桂昌庵」─未詳。
つづく
