「仏通寺住持記」 その２８
（1511）
八 辛未 両足派 （記）「安久名神祭当」
養源善牧禅師蘭翁嗣 〈侍真」肯派〉祖心 納所 恵玖
向上 与本寺兼住 〈維那」肯心派〉恵菊
九 壬申 大慈派
要関智玄禅師 侍真 顕照 納所 宗永
向上 天陽周寅 観白 正曇 維那 周賢
十 癸酉 慈雲派
珍庭周厳禅師嗣実中 侍真 正悟 納所 自慶
（記）「チジヤウ」
向上 智宗 維那 カウシユ
十一甲戌 祥雲派
一如恵得禅師嗣無我 〈侍真」悦翁〉祥誾 〈納所」器哉〉智成
向上 栄岩智盛 〈維那」伝之〉自法
十二乙亥 長松派
玉翁周珪禅師桂岩嗣 侍真 善珠 納所 祖誾
向上 祥甫周鳳 〈維那」信圭〉寿穆
「書き下し文」
八辛未、両足派、安久名を神祭に当つ、養源善牧禅師、蘭翁を嗣ぐ、侍真肯派祖心、納所恵玖、向上本寺と兼住す、維那肯心派恵菊、
九壬申、大慈派、要関智玄禅師、侍真顕照、納所宗永、向上天陽周寅、観白正曇、維那周賢、
十癸酉、慈雲派、珍庭周厳禅師、実中を嗣ぐ、侍真正悟、納所自慶、向上智宗（記）「チジヤウ」、維那カウシユ、
十一甲戌、祥雲派、一如恵得禅師、無我を嗣ぐ、侍真悦翁祥誾、納所器哉智成、向上栄岩智盛、維那伝之自法、
十二乙亥、長松派、玉翁周珪禅師、桂岩を嗣ぐ、侍真善珠、納所祖誾、向上祥甫周鳳、維那信圭寿穆、
「解釈」
永正八年辛未（１５１１）、両足派が番衆を勤める。安久名の得分を神祭の用途に充てる。蘭翁世春を継いだ養源善牧禅師が住持を勤める。侍真は肯心派祖心。納所は恵玖。向上寺住持は本寺住持が兼任する。維那は肯心派恵菊。
九年壬申、大慈派が番衆を勤める。要関智玄禅師が住持を勤める。侍真は顕照。納所は宗永。向上寺住持は天陽周寅が勤める。観白（方丈）は正曇。維那は周賢。
十年癸酉、慈雲派が番衆を勤める。実中妙秀を継いだ珍庭周厳禅師が住持を勤める。侍真は正悟。納所は自慶。向上寺住持は智宗（記）「チジヤウ」。維那はカウシユ。
十一年甲戌、祥雲派が番衆を勤める。無我を継いだ一如恵得禅師が住持を勤める。侍真は悦翁祥誾。納所は器哉智成。向上寺住持は栄岩智盛が勤める。維那は伝之自法。
十二年乙亥、長松派が番衆を勤める。桂岩周昌を継いだ玉翁周珪禅師が住持を勤める。侍真は善珠。納所は祖誾。向上寺住持は祥甫周鳳が勤める。維那は信圭寿穆。
つづく
