周梨槃特のブログ

いつまで経っても修行中

とある解答例

2014年 下関市立大・経済 推薦 問題1

 

 設問1

智頭町における住民参加は、ゼロ分のイチ村おこし運動に始まる。この運動の単位は集落であり、各集落で集落振興協議会を作り、男女共同参画による住民自治を原則としながら、村おこしの計画策定、内外の交流を進めてきた。こうした運動に対して、行政も協力的な姿勢に転じ、資金の助成、アドバイザーや役場職員を集落に派遣する、といった取り組みも行われた。このゼロイチ運動のうえに形成されたのが、百人委員会である。ゼロイチ運動によって培われてきた、新しいコミュニティを基礎としながら、それぞれの地域の代表者が百人委員会の部会に参画することを通じて、ゼロイチ運動よりもさらに広がりのある協調関係を構築できるようになった。

(298字)

 

2012年 下関市立大・経済 推薦 問題2

 

 設問2

 図4を見ると、日本の社会保険料の収入は1990年代後半から横ばい傾向であるが、社会保障給付費は増加傾向にある。したがって、不足分は租税や公債費、年金の運用利益などから補わなければならない。しかし、図1・2からも明らかなように、歳出は増加、税収は減少、そして公債費残高は増加しているため、財政に余裕はない。また図3によると、今後も高齢者人口は増加し、生産年齢人口は減少すると考えられるので、租税や社会保険料の増収も見込めない。図5のように、1975年以降国民の公的負担率は増加傾向にあるが、現状でもさらなる増税や保険料の値上げが必要とされている。

 このままでは、日本の社会保障はサービスの低下を免れない。最悪の場合、破綻の危険もあるだろう。だが、社会保障費給付率を他国と比較した図6を見ると、日本はアメリカに次いで2番目に低く、国民負担率を示した図7でも同様だ。つまり、社会保障を充実させるためには、それなりの負担を国民に強いなければ運営できないことがわかる。どの国も租税負担率が高いことを踏まえると、日本も税率を高くして社会保障費に充てることで、サービスを維持していかざるをえないと考えられる。

(490字)

 

 

2015年 下関市立大・経済 推薦 問題1

 

 設問1

このごろの変な世の中は、近代以来人間が自己の解放と福祉を追求し、獲得してきた物事の集積の結果として生み出されたものである。世の中は変化するもので、多少の弊害は伴うにしても結局は福利をもたらす、といった言説がこれまでは通用していたが、それを無効にしてしまうような、何か根本的に恐ろしいところが、最近の社会と人間の変貌にはある。そのことに気づいているからこそ、人々は過去を振り返らずにはいられないのだろう。過去には我々を驚かし、当然視される現代の価値観を揺るがすものがある。懐古は逃避ではなく、むしろ現代という一種の地獄からの脱出の第一歩ですらありうるからこそ、社会的ブームにまでなった、と考えている。

(299字)

 

 問題2 設問1

①保護率全体の年次推移の変動と、市部における被保護者数の年次推移の変動がほぼ一致している。

(44字)

②世帯類型別で見ると2000年以降では高齢者世帯が最も多く、世帯人員別で見ると単身世帯の割合が最も多い。

(48字)

③年齢階級別一般人口と年齢階級別被保護人員の構成比を見ると、ともに50歳以上の割合が増加している。

(47字)

 

 

2016年 下関市立大・経済 推薦 問題1

 

 設問1

人間の《いのちの世話》の場であった血縁や地縁は、人口の激しい流動化にともなうサービス社会の進行と表裏一体となって、崩壊しつつある。また、一時期、その機能を分担していた「社縁」という、企業や労働組合による家族丸抱えのソーシャルサービスも、極端な職住不一致の就労形態のなかで、ほぼ消滅した。困窮する個人をぎりぎりのところで孤立させないための保護膜のようなものとして包み込んできた地縁や社縁も、鬱陶しいしがらみとして受け止められ、そこから逃げ出してきたのだ。こうした要因によって、人々は自らの手で世話をし合うという協働の能力や「共同防貧」の仕組みを失い、互いに過剰なまでに分断され、孤立した社会となった。

(299字)

 

 問題2 設問1

まず、図表1を見ると、平成5年以降、投票率が60%を割り込む回数が目立つようになり、図表2を見ると、概ね年齢が低くなるほど投票率は下がることがわかる。これらのことから、若年層の投票率の低さが全体の投票率の低下に影響を及ぼしていると言える。投票の棄権理由であるが、図表3・4によると、選挙自体への関心の無さや、国の政策に国民の考えや意見が反映されていないという失望感が大きく影響していると言える。また図表5によると、国民の多くはテレビや新聞などのマスコミによって選挙の情報を得ているが、その一方で、図表6を見ると、国民の考えや意見を反映させる方法としてのマスコミには、あまり期待していないことがわかる。

(299字)

 

2016年 下関市立大・経済 推薦 問題1

設問1 人間の《いのちの世話》の場であった血縁や地縁は、人 口の激しい流動化にともなうサービス社会の進行と表裏 一体となって、崩壊しつつある。また、一時期、その機 能を分担していた「社縁」という、企業や労働組合によ る家族丸抱えのソーシャルサービスも、極端な職住不一 致の就労形態のなかで、ほぼ消滅した。困窮する個人を ぎりぎりのところで孤立させないための保護膜のような ものとして包み込んできた地縁や社縁も、鬱陶しいしが ら み と し て 受 け 止 め ら れ 、そ こ か ら 逃 げ 出 し て き た の だ 。 こうした要因によって、人々は自らの手で世話をし合う という協働の能力や「共同防貧」の仕組みを失い、互い に過剰なまでに分断され、孤立した社会となった。

(299字)

問題2 設問1 まず、図表1を見ると、平成5年以降、投票率が 60%を 割り込む回数が目立つようになり、図表2を見ると、概 ね年齢が低くなるほど投票率は下がることがわかる。こ れらのことから、若年層の投票率の低さが全体の投票率 の低下に影響を及ぼしていると言える。投票の棄権理由 であるが、図表3・4によると、選挙自体への関心の無 さや、国の政策に国民の考えや意見が反映されていない という失望感が大きく影響していると言える。また図表 5によると、国民の多くはテレビや新聞などのマスコによって選挙の情報ているが、その一で、図表6 を見ると、国民の考えや意見を反映させる方法としての マスコには、あまり期していないことがわかる。

(299字)