周梨槃特のブログ

いつまで経っても修行中

光るゲロ 〜青苧の葉っぱにゃ毒がある〜

  天文十二(1543)年五月二日条

        (『多聞院日記』1─327頁)

 

 二日、(中略)

 一尊教院語ヽ、青ソハワ一段ノ毒ニテアルヘキ也、其支證ニハ我坊ニ舜賢ト云法師、酒ニ酔テヘトヲツキケルカ暗夜ニ光リ了、火ヲトホシテ見レハヘト也、不思儀ニ思ヒテ翌日能々見之、アヲソハノヘト也、如此光ルホトノ物也、豈不成大毒哉、ヲソロシヤヽヽヽヽヽ、

          (故)

 爰ニ思出ス事アリ、古長善房律師雑談ヽ、我唐瘡ヲ煩シ事ハ、或時青ソハヲヱテカサニ二・三倍食テ、アクル日よりハレモノ出来以外煩了云々、

 

 「書き下し文」

 一つ、尊教院語りて云く、青苧葉は一段の毒にてあるべきなり、其の支證には我が坊に舜賢と云ふ法師、酒に酔ひて反吐をつきけるが暗夜に光り了んぬ、火を灯して見れば反吐なり、不思議に思ひて翌日能々之を見る、青苧葉の反吐なり、此くのごとく光るほどの物なり、豈に大毒と成らざらんや、恐ろしや恐ろしや、爰に思ひ出だす事あり、故長善房律師雑談して云く、我が唐瘡を煩ひし事は、或る時青苧葉を得てかさに二・三杯食ひて、明くる日より腫れ物出来し以ての外煩ひ了んぬと云々、

 

 「解釈」

 一つ、尊教院が語って言った。「青苧の葉は猛毒であるにちがいない。その証拠であるが、我が坊に舜賢という法師がおり、酒に酔って反吐を吐いたが、それが闇夜で光った。火を灯して見ると反吐であった。不思議に思って、翌日じっくりそれを見ると、青苧の葉の反吐であった。このように光るほどの反吐であった。どうして猛毒とならないだろうか、いや猛毒になるに決まっている。恐ろしいなあ、恐ろしいなあ。ここで思い出したことがある。故長善房律師が雑談で話していた。『私が唐瘡を患ったときのことだが、ある時青苧の葉を手に入れて、二・三杯食べたところ、翌日から腫れ物ができて、とんでもなく苦しんだ』」という。

 

 

【コメント】

 なんとも気持ちのよい話ではないのですが、ちょっと見てみたい気もします。光るゲロ…。

 さて、青苧・苧麻・カラムシは織物の原料であることは知っていたのですが、食用になるとは知りませんでした。尊教院という僧侶は毒だと断じていますが、舜賢にしても長善房にしても、ためらうことなく食べているようなので、食料として普及していたと考えられます。ただ、食べすぎると体調不良を起こすようです。どんな食べ物でもそうなのでしょうが、適量に摂取するのだ大事なのでしょう。