七 大内氏奉行人書状寫
『前ニ同』 (平賀)
急度申候、當要害之儀、對二弘保一被二還遣一候、然者各之事、要害之儀、弘保代々
(石井)
堅固ニ被二去渡一、可レ有二下城一候、置物被レ下候者、両三人被二申談一、元家領内
へ可レ被二下置一候、則人夫申付、至二爰元一可二取越一候、於レ無二置物一ハ不レ及レ
申候、彼山より弘保可二破却一之由候之条、如レ此令レ申候、御座所之奉書爲二
披見一進候、軈而返可レ然候、恐々謹言、
(杉)
五月五日 隆宣
(房家) 『在判』
石井和泉守殿
河野志マ守殿
黒瀬武壽殿
「書き下し文」
急度申し候ふ、当要害の儀、弘保に対して還し遣はされ候ふ、然れば各々の事、要害
の儀、弘保代々堅固に去り渡され、下城有るべく候ふ、置物下され候はば、両三人申
し談ぜられ、元家領内へ下し置かるべく候ふ、則ち人夫申し付け、爰元に至り取り越
すべく候ふ、置物無きに置いては申すに及ばず候ふ、彼の山より弘保破却すべきの由
候ふの条、此くのごとく申さしめ候ふ、御座所の奉書披見せんがため進らせ候ふ、軈
て返すこと然るべく候ふ、恐々謹言、
「解釈」
きっぱりと申し上げます。この要害のことは、平賀弘保に返し遣わします。だから、あなた方のことについて、この要害は弘保が代々厳密に譲与されてきたもので、立ち退くはずです。城に残してある物が下されるなら、あなた方でご相談になり、石井元家の領内へ下し置くのがよいです。すぐに人夫を申し付け、こちらにやってきて、(それらを)持っていけばよいです。城に残してある物がないなら、申すまでもありません。あの山から弘保が破却するはずですので、このように申しました。御座所(大内様?)の奉書を披見するために進上します。そのまま返すのが適切です。以上、謹んで申し上げます。
*解釈はよくわかりませんでした。