周梨槃特のブログ

いつまで経っても修行中

とある解答例

年未詳 ノートルダム清心 栄養

 

問3

図1を見ると、単身世帯と2人以上の世帯では、家計における食料支出の比率が約23%とほぼ同じである。また図2を見ると、年齢が上昇すればするほど、外食費の比率と金額が低くなっていくことがわかる。(95字)

 

問4

図1の支出割合から食費を算出すると、単身世帯の食費は約3万7千円で、2人以上の世帯では約6万7千円である。つまり、2人以上の世帯における1人分の食費よりも、単身者の食費の方が高いということがわかる。また図2を見ると、30歳未満の外食費の比率が約44%と、最も高いことがわかる。これらのことから、単身世帯の多い30歳未満の世代は外食に依存することが多く、外食費が食費全体の金額を釣り上げていることがわかる。さらに図3を見ると、外食ではファストフードなどの単一品種を食べている割合が、どの世代でも高いことがわかる。特に外食費の高い30歳未満の世代は、栄養が偏ると考えられるので、バランスの良い食事を心がけるべきだ。(300字)

 

 

 2012年 ノートルダム清心 推薦 第1問

 

設問1

イヤホンを耳にし、四六時中自分だけの音楽を楽しんでいる現代は、まさに音楽狂の時代だ。現代人はストレスのせいで、音楽に耽溺している。個人のストレス解消に音楽は消費されているのだ。こうした「音楽の個人化」とも言える現象は、本来の音楽の姿ではない。本来音楽は集団で行う行為だからだ。いま、日本には音楽と同時に社会不安も満ちている。失われた社会の紐帯を取り戻すために、地域や社会で音楽活動を繰り広げるべきだ。

(200字)

 

 

 2013年 ノートルダム清心 推薦 第1問

 

設問1

ケアの倫理は、個人の主体性、自立性を重んじる正義論に対し、関係性の維持、発展、深化を重視する。そういう意味で、歴史的伝統を背負っている共同体の中で培われ、共有されている共通善に基づいて、公共的な実践を行うコミュニタリアニズムの発想に近いが、ケアの倫理は、ごく近しい人同士の親密な関係性や絆に価値を置く。壊れかけた人間関係を再構築したり、新たな絆を作り出したりするには、正義論だけでは対応しにくいので、身近な他者に対するケアの倫理が必要だ。  (219字)

 

2015 ノートルダム清心 人間生活

問1

・中古のものを買うことに抵抗がない人の割合が、他の世代に比べて高い。

エコロジーなどを日常的に意識している割合が少なく、特に男性は4割ほどしかいない。

・節約や無駄を省く行動を楽しむことができる男性の割合が、全世代の中で最も低く、5割を下回っている。

・高くても環境に良いものを選ぶ人の割合が、他の世代に比べて低く、3割ほどしかいない。

 

問2

 持続可能な社会を実現するには、環境に配慮し、限りある資源を大切に使うことが必要だ。「エコロジー環境保護、リサイクルについて、日常的に意識している」という表の質問項目に対する回答を見ると、こうした考え方は普及していると言えよう。しかし、「高くても、環境によいモノを選ぶ」という質問項目になると、どの世代でも回答率が減少している。意識は高くても、実際に行動するとなると、ハードルは高いようだ。

 その大きな障害となっているは、やはり価格の問題だろう。代表的な例として、燃料電池車が挙げられる。技術開発やインフラ整備には、どうしても費用がかかり、それを消費者に転嫁しなければならないのだ。こうしたなかで、大手自動車メーカーのトヨタは、燃料電池車の特許を、無償提供するという英断を下した。他社の参入を促し、急速に市場を創出するためには、この判断は適切だったと評価できる。これはトヨタ自身の経営戦略ではあるが、競争相手が増え、インフラ整備が進めば、価格は安くなるので、消費者としても望ましい。

 環境問題は喫緊の問題だ。目先の利益ではなく、将来の大きな利益を見据えた判断を、開発者にも求めたい。

(489字)

 

 

2015 ノートルダム清心 栄養

 

問1 17.6 やせ

 

問2 一人当たりのGDPが高くなるほど、やせの女性比率は低くなっていく傾向にある。      (36字)

 

問3

 日本が一人当たりのGDPが高いにもかかわらず、やせの女性比率が高い理由は2つあると考える。1つ目は、やせたいという願望だ。肥満は不健康だという意識もあるうえに、メディアに出ている女性には、やせ過ぎとも言える体型の人もおり、美しいともてはやされている。そのような女性を見る機会が増え、やせている方が美しいという意識が女性の間に広まったのではないか。

 2つ目は、自分の適正体重を知らない女性が多いということだ。自分のBMIは普通体重であるにもかかわらず、さらにやせようとする人が多くいる。BMIの値が22となる体重が標準体重で、最も病気になりにくい状態とされていることが、周知されていないと考えられる。

(291字)

 

 

 2016年 ノートルダム清心大・文学部・推薦

 

問3

文明の時間は、過去から現在、未来へと直線的に一定の速さで無表情に流れる、極めて正確な、一定の単位時間によって区切られており、時間の客観化、等速性、不可逆性、そして価値基準といった合理性が確立されている。近代資本主義経済は、この文明の時間を売買することで成り立っているが、このような時間は地球中の生物に適しておらず、現代「文明人」は各自の個性に関係なく、文明の時間に従わなければ生活できなくなっている。

(200字)