周梨槃特のブログ

いつまで経っても修行中

とある解答例

2015年 茨城大 前期

 

 問1

 厚生労働省の調査によると、平成23年の死因別死亡割合の約57%が生活習慣病である。したがって、健康に害を及ぼす要因の第1位は、食生活や飲酒・喫煙、運動状況などの生活習慣であると言えよう。第2位は遺伝である。糖尿病などは遺伝的要因も強いが、先天性でない限り、生活習慣が発症の引き金となる。第3位は環境と考えられる。生活や職場環境によって、不健康な生活習慣を強いられたり、ストレスを抱えたりすることもある。生活習慣や遺伝に比べれば、間接的な影響にとどまるだろう。第4位は保健・医療サービスである。保健指導や検診によって病気を予防することはできるが、主体的にこれらを利用しなければ意味はないので、影響は薄い。

(299字)

 

 

 2015年 茨城大・教育学部・教育基礎選修

 

問1 (196字)

子どもを私物化するとは、授業者である私が教室の独裁者となって授業のメニューを決定し、私自身が子どもたちを教え導く役目、子どもたちは私から教わり覚える役目といった完全な二項対立の関係の状態に置くことを指す。教師が大勢の子どもたちを対象にした、自分よがりの授業を繰り返すことで、子どもたち一人ひとりの個性や尊厳を無視し、いったい誰のために授業をしているのかがわからなくなっている状態を指している。

 

問2 (100字)

子どもたちがそれぞれ主体的に分度器の観察を始め、教師や子どもたちが発見した内容やその書き出し方を相互に真似し、その発見を土台にして、子どもたち同士で対話をしながら、より多くの発見を増やしていった活動。

 

 

 2016年 茨城大・教育学部・教育基礎選修

 

問1 (100字)

教師は自身の仕事と関係する範囲内で生徒の気持ちを理解しようとしており、生徒は口にしにくい心の奥底までを教師に理解されたいと思っているわけでもないため、両者の理解し、理解されたい内容が違ってしまうから。

 

問2 (200字)

教師は、子どもの学校における行動や、学力・進路といった「生徒」としての側面しか理解できないにもかかわらず、学校に関わりのない子どもの気持ちについての理解までも求められるのは、期待のしすぎであるし、奇妙で不思議なことである。こうした状況になったのは、勉強以外のさまざまな活動が、「よい大人になるため」の教育活動と見なされ、教育の範囲に入り込んでくることによって、教師の仕事が広がってしまったからである。