周梨槃特のブログ

いつまで経っても修行中

三原城城壁文書(楢崎寛一郎氏舊蔵)23(完)

    二三 毛利輝元書状    御調郡誌所収文書ニヨル

 

 就元太表之儀、先日申入候処、御懇之御返事にて本望候、然者彼要害之儀大剛

 在之候條、此儘詰口差寄可申候、兼而如申談候、誠無尽期乍御辛労、来十六日被成

 御出張候者可為本望候、委細者隆景可被申談候、御馳走頼存候、猶追々可申候、

 (後闕)

 

 「書き下し文」

 元太表の儀に就き、先日申し入れ候ふ処、御懇ろの御返事にて本望に候ふ、然らば彼の要害の儀大剛之れ在り候ふ條、此の儘詰口に差し寄り申すべく候ふ、兼ねて申し談じ候ふがごとく、誠に尽期無き御辛労ながら、来たる十六日御出張に成られ候はば本望たるべく候ふ、委細は隆景と申し談ぜらるべく候ふ、御馳走頼み存じ候ふ、猶ほ追々申すべく候ふ、

 

 「解釈」

 備前国児島本太城の最前線の件について、先日伝え申しましたところ、懇切なお返事をいただいて満足しております。そこで、あの要害の件ですが、きわめて堅固ですので、このまま詰口に押し寄せ申すつもりです。事前に相談し申し上げていたように、本当に際限ないご苦労をしながらも、来たる十六日にご出陣になりますならば、満足でございます。細いことは小早川隆景とご相談になるのがよいです。ご奔走お頼み申し上げます。なお、追々申し上げるつもりです。