二二 小早川隆景書状(切紙)
(豊前) (親宏)
今度其表御出船動稠被仰付候、依之此口敵退散候、然者田原退口被待付、被碎
手数輩被討果之由到来候、誠御馳走御粉骨之次第不浅候、此表伝之要害明退候
条、動深重依申付之旁御礼申後候、慮外候、其表御滞留之間、弥人数指出候、
(景信)
可被仰談候、猶桂右衛門大夫可申候、恐々謹言、
十一月九日 隆景(花押)
(吉充)
村上新蔵人殿 御陣所
「書き下し文」
今度其の表に御出船動すれば稠く仰せ付けられ候ふ、之により此の口の敵退散し候ふ、然れば田原退口に待ち付けられ、手の数輩を砕かれ討ち果たさるるの由到来し候ふ、誠に御馳走御粉骨の次第浅からず候ふ、此の表に之を伝へ要害を明け退き候ふ条、動すれば深重に之を申し付くるによりかたがた御礼を申す後に候ふに、慮外に候ふ、其の表に御滞留の間、いよいよ人数を指し出だし候ふ、仰せ談ぜらるべく候ふ、猶ほ桂右衛門大夫申すべく候ふ、恐々謹言、
「解釈」
今度、豊前攻めの最前線へのご出船について、またしてもたくさんの出船をご命令になりました。この出船によって最前線にいた敵は退散しました。そうしたところ、大友軍の田原親宏の退却の際に待ち構えられ、あなた様の手勢は敗れて討ち果たされたという知らせが到来しました。本当にあなた様は懸命にご奔走になり、そのご尽力は多大なものです。この最前線の部隊にこの事情を伝え、要害を明け渡して退却することは、ともすれば、厳重に申し付けるために、人々にお礼を申した後にと思っていたが、思いもよらないことでした。最前線にご滞在の間は、いっそう軍勢をこちらから差し出します。ご相談になるのがようございます。なお、詳しいことは桂景信が申すはずです。以上、謹んで申し上げます。
*ところどころ、よくわからないまま解釈しています。