安芸国佐西郡佐方村洞雲寺領、元圓満薬師寺領、同永興寺領之事、任二代々證文
(友田)
旨一諸役等令二免除一畢、并興藤寄進地坪付在レ之、執務領掌不レ可レ有二相違一之状
如レ件、
(1571)
元亀貳年卯月九日 輝元(花押)
元就(花押)
洞雲寺 (全室)
當住宗用和尚
「書き下し文」
安芸国佐西郡佐方村洞雲寺領、元圓満薬師寺領、同永興寺領の事、代々の證文の旨に
任せ諸役等免除せしめ畢んぬ、并に興藤寄進地「坪付之在り」、執務領掌相違有るべ
からざるの状件のごとし、
「解釈」
安芸国佐西郡佐方村の洞雲寺領、もと圓満寺・薬師寺領、同永興寺領のこと。代々の証文の内容のとおりに諸役等を免除させた。また、友田興藤の寄進地(所在地・面積などは別紙に記してある)も、相違なく取り仕切り領有するべきである。安堵状の内容は以上のとおりである。
「注釈」
「圓満寺」─廿日市町佐方(サガタ)・五日市町佐方(サカタ)地域にあった中世の廃
寺。現在も小字名として残る(『広島県の地名』)。
「永興寺」─未詳。厳島社領内の寺院でしょうか。
「興藤」─友田興藤。もと厳島神主。
「当住宗用和尚」─洞雲寺住持、九世全室宗用。