三 後花園天皇口宣案寫
(1454)
享徳三年四月廿一日 宣旨
權律師寛雅
冝任權少僧都
(大脱)
蔵人權右辨藤原経茂奉
*書き下し文・解釈は省略。
「注釈」
「権律師」─僧綱第三位の僧官。律師には、大律師・(中)律師・権律師がある(『新
訂 官職要解』)。
「権少僧都」─僧正について僧侶を統括する僧官。大僧都・権大僧都・僧都・少僧都・
権少僧都の五等にわかれている(『新訂 官職要解』)。
「宜任權少僧都」─宜しく権少僧都に任ずべし(権少僧都に任命せよ)。
「藤原経茂」─勧修寺経茂。
*権律師という僧官にあった寛雅が、権少僧都という僧官に任命された文書。権少僧都
に対応する僧位は法眼になるのですが、別に僧位を授けられた文書が発給されている
のかもしれません。