九 小早川弘平自筆書状
(院)
来春御上洛あるへきなと、」内々御物語共候、さやうに候ハヽ、」法持ゐんたん
そく候ハんと」推量申候、然処鷹のとまり」さしをき可レ申候由承事候、心得」
申候、それさまへたいし、法持院」分のとまり閣申候、左も候ハヽ」御上用意を
定而、諸方馳走」あるへきと存候、御大事にて候、恐々敬白、
十二月廿八日 弘平(花押)
「書き下し文」
来春御上洛あるべきなど、内々に御物語ども候ふ、左様に候はば、法持院歎息し候はんと推量し申し候ふ、然る処鷹のとまり差し置き申すべく候ふの由承る事に候ひ、心得申し候ふ、其れ様へ対し、法持院分のとまり閣き申し候ふ、左も候はば、御上の用意を、定めて諸方馳走あるべきと存じ候ふ、御大事にて候ふ、恐々敬白、
「解釈」
来春、御上洛になるはずであるなどと、内密にお話し合いになることがありました。そうでありますなら、法事院はため息をつくだろうと推察し申し上げます。そうしたところ、鷹のとまりを捨て置き申すべきですというお考えをお聞きすることがあり、承知しました。そちら様に対して、法持院分のとまりを捨て置き申しました。そうであるならば、きっと御上洛の準備をさまざまな方々が奔走しなければならないと思い申し上げております。重大なことです。以上、謹んで申し上げます。
*本当に、訳せませんでした。